👼👼👼👼

さゆりに貰ったお札を常に身に付けるようになってから数日、快晴の日が来た。


最近ずっと曇りや雨の日が続きホッとしていたのだが、お札の効果を確かめる意味もあり、真美は青空を見上げる。


すると、そこには天使がいた。

いつも通り、雲から張り付いた様な不気味な笑顔を覗かせている。


思わず目をむいた。心臓の鼓動が激しく鳴る。息も自然荒くなった。


すぐ隣で、夫が子供を遊ばせているのだ。


絹をさく様な悲鳴が聞こえた。


恐る恐る振り返ると、夫と子供が不安そうに遠くを見ている。

悲鳴の発生元を。


事故があったのだ。

でも、夫と子供は無事だ。真美は胸を撫で下ろし、その後すぐに、不幸に遭った者がいるのに安心した事への自己嫌悪に襲われた。


しかし、「自分が手を下したわけではない」という意識から、自己嫌悪や罪悪感もすぐに薄れていった。

そう、私は自分の身を守っただけなのだと。


それに、あの天使は幻覚かもしれないのだ。

ただの不運な事故かもしれない。



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