第73話
杉崎家の朝食はパンだった。
杉崎のおばさんとおじさんと一緒に、やたらとラジオがたくさん置いてある一階のキッチンで、クロワッサンにフランスパン。ピザトーストにイチゴのホイップクリームのコッペパンを頬張った。
いただいた飲み物の紅茶はオレンジペコだ。
オレンジペコはその名の通りに……じゃなくて、オレンジの味はしない。市販されているのは、だいたいセイロン茶系の紅茶のようだった。
ピザトーストをオレンジの味のしない紅茶で喉に流しこんで、俺は考え事をしていた。
一体?
俺の父さんは?
確かにおばあちゃんから影に殺されたって聞いているのに……?!
だけど、生きているはずだ。
なぜなら、影が生きているんだ。本体は死んでいない。
「うーん……わからん。あと、影の世界へどうやって行こうか?」
「ほにいちゃーーん!! それより学校行こう!!」
「うぎっ! 今はそれどころじゃないんだーー!! 学校よりも影斬りの刃だーー!!」
「影洋くん。心配しないで、今日は祝日よ……」
世話焼きの杉崎がコトリと紅茶のカップをテーブルに置いた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます