第72話
――――
「ほにいちゃーーん!! 起きてーーー!!」
「影洋くん! 起きてーーーー!!」
「ぶっ!! むにゃーーーー!!」
二つの柔らかい塊が俺の顔を直撃した。
俺は起き出して辺りを見回した。
女物の洒落た家具に洋服箪笥。あと、ピンクの柄のテレビが設置されている。俺が寝ていたベッドからはいちごの良い匂いがした。
「って、時間が戻ってる?!」
「あ、いや……そうじゃなくて……。私がまた拾ったの……」
声の主は杉崎だった。
ここは杉崎の家。
「ほひいちゃん。三人も私一人で倒すの大変だったんだよ」
うぎっ! 我が妹よ!!
そんなに強かったのか?!
いや! あ、そうだ! 三人の影は手負いだったんだ!
「心配になって、影洋くんの後をついて行ったのよ。そしたら、影洋くんが二人倒れていて、後はもう一人の妹さんと、影洋くんのお父さんも倒れているんだもん。少し混乱しちゃったよ」
「うっぎーーーーーー!! 杉崎!! それ本当か?!」
そうなのか?!
謎の影の正体は俺の父さん……?!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます