第39話
俺と杉崎の大男が協力すれば……それに公平や恵さんの影も……きっと、影の王国を滅ぼせられるはずだ。
「おにいちゃん! お風呂! 恵さん家に帰ろ!」
「おう!」
「え、私のお父さんは?」
「いんや、ここは危険だ……君のお父さんも帰っているかも知れない」
三人で山を下りた。
荒涼として小石だらけの心影山は、どこも真っ暗だったが、頂上付近に明かりが見えた。
きっと、まさかの杉崎のおじさんか俺の影たちだろう。
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