Special days 11 シャンデリア。
――聖なる雪が奏でる交響曲。シャンデリアのような輝きを魅せていた。
震える脚は、十三歳のキャパを越えたことを物語っている程。大人の世界を垣間見る程に、もう頭が真っ白になる程……クラッと身を崩すも、しっかりと抱き留められて、
「無理しなくていいんだ。ゆっくりで……
そして、その役目をしてあげられるのは、僕じゃないんだ」
と、ティムさんは言う。とても優しい口調で。僕は防波堤が……それともダムが決壊したように涙が流れてきて……泣いた。思い切り泣いた。号泣の域に達して。
「僕は、まだ子供なんだ……」
温かな湯の中に落ちる涙は、その涙をも吸収する。フラッシュバックをも吸い込むような海のように。それはやがて、夢の中へと導いたの。心地いい夢へ。同じ、
――同じお布団の中へ。
やっぱりパパの風格となっているティムさん。
雪はまだ深々と降り続いて、この夜の寒さを演出している。温かな音は、ティムさんの鼓動。心落ち着ける鼓動。その向こうに見える、煌びやかなステンドグラスの聖なる地。
そしてティムさんの、
お誕生日も聖なる日。まさにXマスなの。だから駆ける。この夜を駆けるトナカイさんはティムさんになるため、今はもう僕のパパとなったのだ。パパと同じお布団の中。
サンタさんの正体は、
実はパパだった。そして大きなプレゼントを用意してくれていた。
目覚めると……
そこにはパパと、お母さんが僕の右と左にいる。百万石で撮った親子三人の家族写真が新たなスタートとなる。お祭りのスナップ写真もセットで、僕らの思い出を飾った。
梅田
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