第11話 彼女はずるい程に可愛いです。

 俺は急いで校門に向かい優月を待った。


 優月たちが向かってきた。


 友人たちは先に帰り、俺と優月は帰り始めた。


 俺は隠し続けるのは良くないと思い言った。


 「実はさっき優月が告白されてるの見ちゃったんだよね……」


 『え!本当に?』


 『と言うことはその後の私が好きな理由言って所も聞いてたってこと?』


 「う、うん……」


 すると優月は顔を赤らめ、下を向いていた。


 『今の気持ち言うと、少し恥ずかしいなって……』


 少し沈黙の間が過ぎると優月は顔を上げて恥ずかしそうに言った。


 『けど全部ちゃんと本当のことだからね』


 一気に俺が恥ずかしくなった。


 俺は空気を変えようと思い、優月に言った。


 「告白断ってくれてありがとう」


 優月は間も開けずに言った。


 『当たり前じゃん』


 『こんな良い彼氏が隣にいてくれるのに他の人に目移りする程私も馬鹿じゃないからね』


 続けて優月は小悪魔のような笑顔で言った。

 

 『どう?』


 『恋人にこんなこと言われた気持ちが分かった?』


 「嗚呼……」


 とても恥ずかしかった。


 だが、とても嬉しくもあった。


 俺が恥ずかしくて下を向いてると優月は言った。


 『けど今のは本当の気持ちだよ』


 こっちの方がよっぽど俺にとっては恥ずかしかった。


 


 俺は優月に言った。


 「これが一緒に歩くのが最後なんだよね」


 優月は答えた。

 

 『そんなことないよ』


 『大学行ったら別れる訳じゃないんだから、これからも何度でもいつでだって二人でお互いの隣を歩けるんだよ』


 これを笑顔で言ってしまう彼女がずるいと思ってしまう程に可愛すぎる。

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