第8話 吹っ切れた彼女は小悪魔のような可愛さでした。

 いつも通り授業を受け昼食頃になった。


 俺は美香の手伝いがある為教室を出ようした。

 

 すると優月が話しかけてきた。

 

 『何処行くの?』


 俺は朝のことがある手前、もし俺が「美香の手伝いをしに行くんだよ」なんて言ったら『着いて行く』と言うのではないかと思い、俺ははぐらかした。

 

 「嗚呼、少しある人の手伝いをしに行くんだよ」


 『それって美香ちゃんのこと?』


 「い、いや……」


 『美香ちゃんの手伝いなんでしょ?』


 「嗚呼…」


 俺は優月の何かに負けた。


 『何で最初、嘘吐いたの?』


 「朝のことがあるから優月、着いてくるとか言いそうだなって思って」


 「それだと優月の飯食う時間が無くなっちゃうなって思ったから」


 『そっか、私のことを考えてくれたのは嬉しいし、実際私は着いて行こうと思った』


 『けど、嘘吐かれたのは少しショックかな…』


 そんなことを苦笑いで言う優月を見て俺は嘘を吐いたことを後悔した。


 「あっ!もう美香に言ってた時間だ!急がないと」


 『それなら私も着いて行こう』


 「優月は飯食ってなよ。食べる時間無くなるぞ」


 『良いの』


 『残り少ない高校生活大好きな彼氏となるべく一緒に居たいから』


 俺は照れながら言った。

 

 「それなら良いけど……」


 『もしかしてまた照れてる?』


 「嗚呼……」




 俺と優月が廊下へ出て歩くと、多くの生徒がこっちを見てきた。


 『何か皆こっち見てるね』


 「そりゃあそうだろ」


 「昨日あんな大勢の前でキスなんかしたんだから」


 『そっかぁ』


 『ならもうどんなことしても大丈夫だね』


 そう言うと優月は俺の腕にしがみついてきた。


 「急に何!?」


 『いやぁ皆はもう私たちが恋人同士だって知ってる訳でしょ?』


 『ならもう何しても良いかなって思って』


 「流石に少し恥ずかしい……」


 『とか言って、実際はあんまり悪い気分してないでしょ?』


 「まぁちょっとは嬉しい……」


 可愛い彼女に抱きつかれて悪い気分のする男などいない。


 実際に俺自身、とても嬉しくなっている。


 嬉しくて仕方がない。


 『ってかずっとそっぽ向いて、もしかして今日三度目の照れ?』


 煽りながらだが可愛い笑顔でそんなことを言う優月に俺は勝てなかった。


 「そうだよ……」


 『やっぱり君、格好良いだけじゃなくて可愛いね』


 『顔が赤くなってるよ?』


 当たり前だ。


 彼女に可愛いと言われ顔が赤くならない方が珍しい位だ。


 『そんな所も可愛いね』


 優月は小悪魔のように笑いながら言った。


 俺はこの可愛すぎる彼女に何回、可愛いと思えば良いのだろうか。


 



 

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