第6話 可愛い彼女は格好良い一面も持ち合わせていました。

 三月七日俺はいつも通り優月と登校し授業を受けていた。


 時刻は昼食頃となっていた。


 優月と一緒に昼食を食べていると優月が俺に言ってきた。


 『そう言えば昨日後輩の美香ちゃんの告白断ったんでしょ?』


 「そうだよ」


 『その後何か本人から言われたりしてないの?』


 「本人からは特に言われずにいつも通りに接してくれているよ」


 「けど……」


 『けど?』


 「恐らく本人から断ったことを聞いた、もしくは見ていた人が言いふらして影から色々言われてはいるよ」


 「あんまり気にしていないけどね」


 『そうは言っても苦笑いを隠しきれていないけど本当に大丈夫なの?』


 「正直な所少しは流石に気になるかな」


 『こんなこと訊くのは君にとても申し訳ないけれど』


 『具体的にどんなこと言われているの?』


 「あの人美香のこと振った人だよ。美香の心を踏みにじってよくあんなに清々しく廊下を歩けるよねとか他にもこんな感じのようなことを言われているね」


 『なるほどね……』


 『ってかもう次の時間始まるじゃん!』


 『私たち次の時間理科室だよ!急がないと!』


 そう言うと俺たちは荷物を持ち、廊下を歩いた。


 


 小さな声だが俺の悪口が聞こえてくる。


 こんなに居心地の悪い廊下を歩いたのは初めてだ。


 「耐え抜くしかない」そう思いながら歩いていると優月がこっちを見てきた。


 そして俺の頬にキスをした。


 俺が驚いていると優月は微笑みながら言った。


 『これで君が彼女がいるから振ったってことが皆に知れ渡ったからもう君が悪口を言われる必要が無くなったね!』


 他の生徒たちの悪口は一気に無くなった。


 俺は何度目かの改めて優月に惚れた。

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