第4話 死地

ある女の子は死にたかった。

理由は特にない。

全てに諦めがついたようだった。


女の子は周りに馴染むのが難しかった。

女の子は同じ人間と仲良くなれなかったようだ。

女の子は死に方を探していた。

たくさんの死に方があったが女の子は痛いのは嫌だった。苦しいのも嫌だった。

女の子は死に方をまだ探していた。


女の子は学校の屋上に座っていた。

屋上の風は女の子の頬を撫でた。

夕日がゆっくりと沈んでいき気がつくと空は真っ暗だった。

女の子は屋上に寝転んだ。

空だけが目の前にあり、この世界が女の子1人だけのように感じた。


女の子だけの世界。

誰にも邪魔されず。自分意思だけで動くことができる。縛り付けるルールなんてものはなく

自由に眠りたい時は眠り、歩きたい時は歩き

走りたい時は走って、休みたい時に休む。

そんな世界を想像した。

でも、この世界に人がいないところなんてもうなかった。

今や地球のどこに行っても人間ばかりだ。



星が輝いていた。

女の子は思った宇宙にならまだ人はいないと

ただ星が輝き音も時間もない女の子の求める自由な場所だ。

人はどうやら宇宙に行くとすぐに消えてしまうらしい。

星が輝く宇宙の中の一部になれるのなら地球で死ぬより美しいだろう。

地球で死ぬよりは苦しくもないだろう。

宇宙に行こう。

女の子は死に方を見つけた。


幸せになれる目的地が女の子を幸せにした。





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幸と女の子 赤いりんご @7shiningstars

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