幕間のひとコマ
✳︎いつもと違うスタイルです。
ある日の昼下がり。台所。
光「ねぇ、天ちゃん。天ちゃんたちには名前をつけるっていう習慣はないの?」
天「んー?そうだねぇ、そういえばないねぇ。って、何で?」
光「普通に呼び辛い」
天「そう?じゃあぴかるんが呼びやすいように呼んじゃえばいいんじゃなーい?」
光「え、いいの?」顔キラキラ✨
天「呼ばれる本人がいいって言うならいいんじゃなーい?」
光「………」(………ノリが軽すぎる(心配))
鴉「………」お昼ご飯準備中。お耳ダンボ。
同日。お昼ご飯後の散歩。
光、カラス、気狐、ひとつ目、猫又が天狗家庭に集合。
今日は棘岩に行くらしい。
今日のお散歩おやつは鴉お手製のおからクッキー。光が出かけるって言うから作りました。by鴉。
光「ねぇ、ひとつ目ちゃん。これから僕、ひとつ目ちゃんのこと、ひとつ目ちゃんじゃなくて、いっちゃんって呼んでいい?」
ひ「………いっちゃん?」
光「うん。ひとつ目ちゃんの『ひとつ目』って『名前』じゃないから、僕何かいやで………」
ひ「………いっちゃん?」
光「うん、いっちゃん。まあ、そのまんまなんだけど、『いちめ』って名前どうかな?って。ひとつ目だから『いちめ』。『いちめ』ちゃんだから『いっちゃん』。………ど、どうかな?」←断られたらどうしようってどきどき。
ひ「ひかる」
光「………ん?」どきどきどきどきどきどきどきどき。
ひ「………ありがと」
光「ひとつ目ちゃん」
ひ「ひかる」
光「ん?」
ひ「いっちゃん」←気に入ったらしい。
光「うんっ。いっちゃん✨」
おてて繋いで出発。………の、はずが。
カ「カアアアアアッ………」
き「きゅうっ」
ね「にゃああああああ」
訳:ひとつ目だけずるい〜‼︎おれ(わたし)にもつけてよ〜‼︎
3人?…3匹?に一斉に鳴かれ、一斉にそれぞれにつつかれる光。
ひゃあああああって光の声に何事かと廊下に出て窓を開けて覗く心配性の鴉。
光「え?何?何急に。え、ひとつ目ちゃんだけずるいってこと?」
カ「クワッ」
き「きゅうっ」
ね「にゃあ」
ひ「ひかる」
光「ん?」
ひ「いっちゃん」←めちゃくちゃ気に入ったらしい。
光「あ、うん。いっちゃん」
カ「カアアアアアッ…」
き「きゅうううううっ」
ね「にゃあああああっ」
訳:おれ(わたし)にも‼︎
光「わっ、分かったよ‼︎じゃあねぇ………」←しばし悩む。悩む。悩んで悩んで………。
「カラスはかーくん、きこちゃんはきーちゃん、猫又ちゃんはまーちゃん」←さすがに適当すぎると思いつつ、でも思いつかず、ダメ?ってそれぞれをチラ見。
カ「クワッ」
き「きゅっ」
ね「にゃ」
訳:いいよー×3(光の顔がかわいいから許す)
光「え、いいの?」顔キラキラ✨←会話が成立する謎
カ「クワッ」
き「きゅっ」
ね「にゃ」
訳:いいよー×3(光の顔がかわいいから許す)
光「じゃあ今日からいっちゃん、かーくん、きーちゃん、まーちゃんねっ」顔キラキラ✨
ひ「………」無言で頷く
カ「クワッ」
き「きゅっ」
ね「にゃ」
鴉「………」(『カ』ラスだから『かー』。『気』狐だから『きー』。なら、『ネ』コマタは『ねー』だろ。何で『まー』?)
棘岩到着。
光とひとつ目は棘岩をなでなで。
カラスは上空見回り、猫又は昼寝、気狐は光にべったり。
5月のさわやかな風がそよぐ、ある日のヒトコマなのでした〜。
鴉「………」←こっそりついてきて木に隠れて見てる心配性。
おしまい
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