三色目 黄
私は母に相談した。
ぬいぐるみの中の綿が知らぬ間に変わることを。
母は
「あなたはほんとにぬいぐるみを大切にするのね」
とだけ言って優しく笑った。
そういえば、、、
───大事に扱ったものには命が宿るのよ
おばあちゃんの言葉だ。
この色は、ぬいぐるみの綿の色はこの子の心だったのだろうか。
申し訳ないことをした。あの子の心を二回も…。
それにしても、綿の色は何を意味していたのだろう。
赤、オレンジ。どうして色は変わったのだろうか。
私は次の色が気になってしまった。
家に帰るとすぐ、ぬいぐるみを確認した。
糸のほつれはなかったがわざとほどき、中を確認した。
───黄色だ。
まずいと思った。どうしてかはわからない。
本能が危険を感じ取った。
私は急いで縫い直し、少し離れた棚の上に置いた。
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