一色目 赤

私は時間も忘れて作り続けた。

懐かしい感覚に胸を熱くしながら、作り続けた。

もうすぐ夜も明けるかというころ、


───できた。

一緒に育ってきたぬいぐるみには遠く及ばないが

それでも初めてにしては上出来だと思う。

わたしはその子を抱きかかえ、眠りについた。



次の日、ぬいぐるみの糸がほつれているところがあるのに気が付いた。

人間でいう心臓の部分。胸のあたりに。

私は一度ほつれた糸を抜き、新しく縫い直そうとした。

その時だった。私は違和感を覚えた。

違うのだ。色が。

あんなにも白かった綿が。

透き通った赤色になっていた。


燃えている炎のようなきれいな赤だった。

私は思わず見とれてしまった。

不気味だったので念のため綿を取り換え、そっと胸を閉じた。

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