第198話 合格じゃ!

 シーン……………………


 広場が静まり返りました。


「な、なんじゃよぉ~」


 神様はちょっと汗をかいてそんな風に言いましたが、


「本当は結局自分の失敗を隠すために来たんじゃないのぉ?」

「な!」


 どこかからそんな声がして、神様が思わずそう言って止まりました。


「そうでないとわざわざ来る必要ないわよねぇ?」

「そうよね、あたしたち、みーんなこんなに幸せなのにねぇ?」


 と、もちろんこれは例の3人娘です。


「な、なにを言うか!」


 神様は一生懸命反撃を考えている。


「ち、ちがうぞ! そ、そうだ、ひーろー協会がな、まあ、そう言ってきたんで、一応様子を見ておくか、そう思って来たんじゃ!」


 ホントカナア……


 そんな空気の中で神様は焦りながらも、


「ほ、ほんとうじゃあ! わしは神様じゃぞ、そんな、神様が嘘をつくわけないじゃろうが、は、はははははー!」


 と、精一杯虚勢きょせいを張って思いっきり笑いましたが、そら笑いなのは見てたら分かるというか、なんか痛々しいというか、そんな感じ……


「分かりました」


 そんなおも~い空気の中、太郎が尋ねました。


「それで、じゃあ僕はそのてすとに合格したんでしょうか? それとも不合格?」

「お、おう、もちろん合格じゃ」


 神様は太郎が優しくそう言ってくれたので、ホッとしてそう答えました。

 何しろそれ以外の視線が冷たい冷たい!


「分かりました、ありがとうございます。そう言って神様に認めてもらえたので、僕も安心してこの先を生きていけます」

「お、おう、その通りじゃ」

「それじゃあ、一つお願いがあるんですが、いいでしょうか?」

「お、おう、願いか、聞いてやろう、なんでも言うがいいぞ」


 神様、あまり図に乗らない方がいいんでない? そんなこと言って大丈夫なの?

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