第189話 ひーろー協会

「いや、実はひーろー協会からのクレームなんじゃ」

「は?」

 

 なんじゃそりゃ、な単語に3人娘の勢いが止まり、神様はちょっとホッとしたようです。


「ひーろー協会じゃよ」

「なに?」

「えっとな、簡単に言うとじゃな、色々なおとぎ話に出てくるひーろーたちが作った協会でな、本来なら桃太郎もその協会の会員資格があるはずだったんじゃが」


 またなんか引っかかる言い方をする。


「そのひーろー協会が太郎さんになんて言ってきてるのよ!」

「太郎さんはあたしたちのひーろーなんだから!」

「そうよ、かっこいいんだから!」


 いろは達、すでに神様にタメ口。


「ちょ、ちょっと落ち着け」


 神様もうタジタジ。


「まあ、よう考えてみ? 他のひーろーたちがどんだけ活躍しておることか」


 言われてみんなちょっと考えてみます。


「神話から現代まで、そりゃ色々なひーろーたちがおるが、みんなひーろーらしいすごいことをしてきておる」

 

 まあ、色々なヒーローがいるのは確かです。


「おまけに、そういうヒーローたちは美女やお姫様と結婚したりもしておる」


 まあ、確かにそういう話は多いですが、これにも3人娘はピクリと反応をしました。


「なによ、うずめ様が美女じゃないっていうの?」

「そうよ、あたしたちにとってはお姫様よ!」

「太郎さんと相思相愛、美男美女よ!」


 と、食ってかかりますが、


「いやいや、だから、わしはいいと言っておるんじゃ、わしはな?」

「それじゃあ」

「一体うずめ様の」

「ううん、梅さんの」

「どこが問題なのか言ってみなさいおおお!」

「そうです」


 太郎も自分のことならまだしも、大事な梅さんのことを言われてはたまらない。


「どこの誰が何て言ってるのか知りませんが、僕には梅さんは最上級で、最高で、世界一素晴らしい女性です!」


 と、大宣言しました。

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