第98話 大爆発!

「う~ん……」

「行くのかい?」

「え~と……」

「行かないのかい?」

「鬼退治に行くのかい!?」

「鬼退治に行かないのかい!?」


 どのぐらい繰り返したでしょう。さっきまで穏やかだったおばあさんは、またどんどんイラッとしてきました。


 そして突然、


「行くのか行かんのか聞いとるのにはっきりしたらどないですねんなあああああ! 鼻の穴から割り箸突っ込んでかっくん! したろかわれえええええ! カンカンヘッドでどたまかち割ったろうかあああああ! ちゃーっそ! ちゃーっそ! ちゃーっそ! ごちゃごちゃ言うとったら、しゃーきまっそー! ワ~レ~!!!!!」


 と、「すんのかいせんのかい」から山田スミ子、未知やすえ、島木譲二からやなぎ浩二に室谷信雄まで巻き込んで大爆発をしました!


 と、このあたり、関西の某新喜劇に馴染みのない方には、


「なんのこっちゃ?」


 と、全く意味が分からないと思いますが、ヒントの単語をグー○ル先生などに尋ねると、もしかすると動画などが出てくるかも知れませんので、興味のある方はどうぞ調べてみてくださいね。


 話を戻します。


 さて、おばあさんは体力だけではなく肺活量も人並み以上だったようで、山の中腹にある自宅で思いっきり叫んだこの声は、ふもとの町や村、いちにまで届いたものですから、みんなびっくりして、山が崩れてくるのじゃないかと心配したそうです。そりゃもう大きな声だったんですね。


 そんな声の直撃を受け、太郎は、


「う~ん……」


 と言ったまま生まれて初めて心神喪失状態になってしまいました。


 そして、目を覚ましたら……

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