第22話 日々是修行
「なになに……ふむふむ、この本によるとな、おもりを付けて動けばいいらしい」
「おもりですか」
「うむ。最初からあまり重いおもりじゃなく、ちょっと負担ぐらいのをつけて動いていたら、自然にその重さに慣れていくらしい。それで重く感じなくなったらまた重くして、それを繰り返していくと、気がつけばものすごく重いおもりをつけて動けるようになっているそうだ」
「まあ、まるで忍者の修行のようですね」
忍者は「麻」を植えて毎朝その上を跳び越す修行をしたという話があります。
麻は成長が早く、毎日3センチぐらい伸びるのです。3センチと聞くとわずかな成長のようですが、1ヶ月で90センチ、2ヶ月で180センチ、3ヶ月だと270センチ!
「たった3ヶ月であなたもオリンピック級!」
そんな宣伝文句が聞こえてきそうですが、最初のうちはいいとして、後半はかなりきつそう。とてもたった3ヶ月で270センチ超えなんて跳べるとは思えない。忍者は本当に跳べたんでしょうかね?
「じゃあ、太郎の腕に何かおもりを付けてやればいいんですね」
「そうらしい」
「何かおもり、ありますかね」
翌日、早速おじいさんは鉄の重い輪っかを買ってきて、それを太郎の両手首にくくりつけました。
「太郎や、ちょっと重いけど動かせるかな?」
「だあだあ!」
太郎は腕輪がそんな目的でつけられているとは知らないのか、うれしそうに両手を振っていました。
「これでもっともっと強い子になるだろう」
「少しずつがんばるんですよ」
「だあ!」
この筋トレで太郎はどのぐらい強い子になれるんでしょうね?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます