第21話 情報収集
太郎に筋トレをさせると決めてはみたものの、おじいさんもおばあさんも実際にやったことがないので何をやらせていいのやら分かりません。
おじいさんは翌朝早く朝市に行って、色んな人に色々聞いてみました。
「この本がいいらしい」
そう言って取り出したもの、それは旅の僧兵に勧めてもらった、
「体を強くする方法」
とかいう、タイトルだけ聞くとなんとなくインチキくさい書物でした。
おじいさんは若い頃、剣の道を志してある道場に入っていました。そこの師匠は剣の道には学問も必要と「文武両道」を是としていましたので、おじいさんはそこで勉学も学ぶことになりました。この時代、まだまだ文字が読めない人も多いのですが、それで多少の書物は読めるのです。
おばあさんはその道場で師匠一家やお弟子さんのお世話をする仕事をしていて、おじいさんとはそこで出会いました。つまり職場結婚みたいなものです。
そして「門前の小僧習わぬ経を読む」という言葉があるように、そこで働いているうちに、知らず知らずに学んでいたようで、やはり多少の書物を読めるのです。
日々の洗濯で気がつけばすごい破壊力を身につけ、勉強も知らず知らずのうちに学んでいたおばあさん、
「帰国子女は知らないうちに英語がしゃべれるようになってていいなあ」
に近いことを思いがちですが、知らない国の知らない言葉の中で生活する苦労ってきっと大変だと思いますよ。おばあさんだって、ぼーっと覚えたんじゃなくて、まだ子どもの頃から仕事をしてながらのこと、それなりの苦労をしてきているのです。
事情はさておき、結果としてはこの夫婦、当事にしてはそこそこのインテリ夫婦と言ってもいいかも知れませんね。
さて、肝心の書物の内容を見ていきましょうか。
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