第49話

 優奈は呆然としたまま自分の秘部を眺めていた。すると、そこからは透明な液体が流れ出ていた。


(これって……愛液……?)


 これが何なのかくらいは知っていた。保健体育の授業で習ったことがある。こんなにも粘性が高いものだとは思わなかった。おそらくこれが『女の子』の証なのだろうと思った。


 それが一体何を意味しているのかはまだわからないけれど、少なくとも自分は『女の子』なのだという紛れもない証明であることだけは理解できた。


 そう自覚した瞬間、今までよりもさらに強い羞恥と背徳感に襲われた。


「私って……本当に女の子なんだ……」


 その事実を噛み締めるように呟いた。その瞬間、全身が熱くなるのを感じた。


(なんだか変な気分……)


 不思議と嫌悪感はなかった。むしろ心地良いくらいだ。


 今、想像の中では智樹と恋人同士の睦みごとをしていた。そのことに忌避感が無かった。それをとても自然なことのようにさえ思えた。


(智樹は私にとって恋人となり得るのかな?)


 もしそうだとしたら、自分は初めて恋をしたことになるのだろうか?相手は自分の弟だけれども。でも彼ほどに可愛く感じる男の子も学校にいなかった。


(私はどうすればいいんだろう……?)


 優奈は考える。自分はどうしたいのか?


(私は……)


 結局、答えは出なかった。今はまだ自分の気持ちがよくわからない。だがいずれ必ず答えを出さなければならない時が来るだろう。そしてその時までに自分の気持ちを整理しておかなければならないと思った。


「はぁ……」


 湯船に浸かり優奈はため息をつく。


 考え事しているうちに時間が経ち過ぎたようだ。


 優奈は自分の気持ちを確かめるように自分の下腹部にそっと手を当てる。


(私は……智樹と一緒にいたい)


「ん……」


 優奈は、自らの割れ目をなぞり始める。


 一緒にいたいからこそ一線を守らなければならない。


「ん……んん……」


 割れ目をなぞる指に段々と力が入る。


「あっ……!ああん……」


 最初は優しくなぞるだけだったが次第に強くなっていく。女性の秘裂。ピンク色の膜がひくつき、透明な液体が垂れて湯船に波紋を作る。


(すごく……いやらしい)


 優奈は自分がこんな恥ずかしい姿をしていることを改めて自覚すると背徳感に襲われる。同時にさらに興奮が高まった。


「はぁ……はぁ……」


 息が荒くなる。気がつけば指先はクリトリスへと伸びていた。そこはすでに硬くなっている。指先で触れると電気が流れたような衝撃を感じた。


(あぅ……!)

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