第44話
「……うん」
恥ずかしそうな声で智樹が肯定する。
優奈はため息をひとつついた。一度してしまえば二度目も大して変わらないと思いつつ、まだ心理的に忌避感はあった。
「じゃあ、そこに寝転びなさい」
言われた通りに仰向けになると、智樹はズボンを脱いで下半身を露出させた。
「それじゃ、始めるわよ」
すでに興奮状態になっていたペニスが勢い良く飛び出してくる。
「もうこんなに大きくなってるの? しょうがない子ねぇ」
自分の中の小さな弟と大人の男の部分を同時に見せつけられて、何かおかしな世界に自分は生きていると思った。クスリと笑うと智佐はその先端に軽く握る。
「んっ……」
それだけで刺激が智樹の全身を走り抜ける。そんな反応を楽しむかのように彼女は指先で亀頭を撫で回す。
快感がどんどん高まってくる。智樹の呼吸が荒くなっていく。
それを察したのか優奈が尋ねる。
彼女の瞳は妖しい輝きを放っていた。イヤイヤはじめた行為ではあるが、今は姉が主導権を握っている。自分の手で弟が快楽に悶える姿を見て愉悦に浸っていた。
「姉ちゃん、もっと強く……」という要求を耳元で囁かれると、優奈は握り方を強めていく。同時に空いた左手が玉袋へと伸びて、優しく揉まれる。
竿だけでなく、敏感な部分を両方攻められて、すぐに限界が訪れた。我慢できずにそのまま射精してしまう。
どぴゅっと大量の精液が吐き出され、優奈の手とシーツに飛び散った。
智樹は肩で大きく息をしていた。
射精後の脱力感はあったが、それ以上の満足感が彼を包んでいた。
「これで少しは落ち着いた?」
優奈がティッシュを数枚取り出して、手を拭きながら訊いてきた。
「ああ、ありがとう。おかげでスッキリしたよ」
智樹は照れくさそうに礼を言う。
「どういたしまして」
優奈は苦笑いで答えた。
その笑顔を見て智樹はふと思う。
(やっぱり姉ちゃんって綺麗だよな)
「何見惚れてるのよ。早くパンツ履いて!」
智樹は慌てて下着を手に取ると、急いで身に着けた。
「もう! こんなこと、他の人には絶対秘密だからね! 分かった!?」
「うん」
もちろん、 姉弟でこんなことしているなんて、他人にいるはずがない。 それ以上に両親に知られたら最悪だ。智樹は大きく肯いて姉の部屋を出た。
弟が部屋を出て自室に戻った後、優奈は自分の身体の変化に気づいていた。
最初はあんなことをするのは嫌だったはずなのに、回を重ねるごとに今はもう一度したいと思っている自分がいるのだ。
(どうして?)
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