第64話

はるさんを撮影したあと、屋上に出て空の写真を撮る。


自分が好きな写真を撮るだけではお金にならないから、サークルの先輩の萩原さんの働いているモデル事務所に見学に行った。それから、在学中にアルバイトをすることになり、長山さんの元でアシスタントとして働いた。自然なものと同じで、女性も美しく思えた。だからこの仕事をやりたいと思った。


今までスカウトしてきた子は何人かいたけど、残ってるのはほのかさんくらい。スカウトしてお試しで入った柴田しばたさんという女の子。短い期間だが撮影を担当させてもらった。しかし遅刻が多くて翼さんに辞めさせろと言われた。もっと彼女の魅力を世に出してやりたかった。もったいないことした。なんでも翼さんの言ったことが正しいなんて…思ってた。


真奈には、叱ってほしかった。なんでそんな言いなりになってんの?バカじゃないの?それでもカメラマン?って。


素直に生きられなくて、ねじ曲がった感情。この空を撮影してると、浄化されていく。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る