第63話

「みとちゃんお帰り」


美月さんは嬉しそうだ。


「藤原さんに帰れって言われて」


「みと…ごめんね。仕事押し付けてしまって…」


みとさんにはるさんは抱きついた。そういうことするんだ。


「やっぱね。あそこのカメラマンとか態度悪いし。私のことバカにした!私の母親のこと知らないんかい!」


「疲れたでしょう?みとは今日は休んでて」


はるさんはすごいな。あんなふてぶてしいのに優しくできて。


「てか藤原さんが雑誌めっちゃ持って帰れっていじめてきた。めっちゃ重かったんだけど」


「え!?藤原さん、女の子に重いものたくさん持たせたらだめですよ!」


足助さんは女子には優しい。もてるわけだ。


「いや、ポージング練習にと思ったんです。でも、みとさんはそういう上を目指してない人でした」


「は?なにそれ?上ってなによ」


「…藤原さん、いじめたことは認めるんですか?」


え、はるさん怖い。


「いじめてません!そもそも雑誌を読んでなくてモデルたちのこと知らなすぎたので…」


「みと!少しは読んでおかないと」


「もー、さおりさんと私のページしか見ないし〜」


これはなかなか…強者だ。

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