第19話

翌日。撮影は絶対今日やるし。雑誌は持って帰ってパラパラ見たし。いいでしょ?


「…みとさん。全くダメです。休憩室ででも雑誌を読むか、ここで他のモデルの撮影を見てて下さい」


な、なにそれ!


「私のなにがいけないんですか?」


糸目で目なんか見えないけど、睨みつけた。


「学んでませんね」


「は?」


「では、めいさん。撮影を」


「はーい!」


なによ!ムカつくし。隣のブースは、昨日のりくさんが撮影してる。なに、あいつ。素人のくせに!


「はい、いいですよ。では次の撮影の準備お願いします」


「はい」


なにそれ!ただ立ってただけ!すました顔して、さっさと移動していった。


「あのー萩原さん?」


「あ!みとさん!お疲れ様です。いやぁー話しかけてくれるなんて嬉しいです」


うざ。


「りくさんずっと仕事してなかったんですよね?なんで戻ったんですか?」


「あー。白河さんが推薦したらしいです」


な、なんでさおりさん!?ありえない。


「ところでみとさん、撮影は…」


なによあいつ!どういうこと?ムカムカする!メイク室にいるはずたから、直接聞こう。

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