第11話 作戦会議
3日後の夜、先日と同じように出撃前のミーティング中が行われた。
「お疲れ様。今日のミーティングを始めます。まずは連絡事項から話すね」
天馬基地副所長の永田さんがミーティングを進めていく。
「じゃあ、次は鬼型の
「はい」
俺は立ち上がり、作戦室の前に向かう。他の死神たちの視線を背中に感じた。
「お疲れ様です。今日は鬼型の
室内が騒がしくなる。
「死神から
俺は大型モニターにとある図を表す。
「この図は出撃前と出撃後の
「意見いいか?」
一番前に立っていた男性から手が上がる。
「どうぞ」
「うちの基地は撤退するボーダーを
「そのボーダーも考慮してあります。私と篁さんは一昨日鬼型の
「……なるほど。確かにその可能性もあるな。分身がやられる時に
「手段はわかりません。しかし、倒した瞬間に奪われたというよりは少し間を空けてから
「
違う死神から質問が出る。
「はい、そう見てます。普通の人から
ステージ3はステージ2からさらに進化した個体だ。能力がさらに進化する、大型化するなどかなりの強敵になる。最大の特徴が知能だ。人間と変わらないと言っていいほどのレベルの知能まで達する。
「鬼型の
横にいる永田さんが落ち込んだ声で呟く。ステージ3の
「いえ、ステージ3になる前に叩きます」
「えっ、でもレーダーに映らないよね?」
「確かにレーダーに映りませんが、姿が完全に消えているわけではありません。死神であれば、姿は見えるはずです」
「この広い天馬市で闇雲に探すのは効率が悪いんじゃないかな?」
「その通りです。そこで、どこに潜んでいるかの考えてみました。こちらの地図をご覧ください」
俺は大型モニターに天馬市西部の地図を映す。そこには多くの赤い点が映っていた。
「鬼型の
次に青い点が映る。
「青い点は通常の
「これは……」
作戦室がざわめく。
「一目でわかると思いますが、西側に赤い点が極端に少ないです。その数わずか2点です。逆に西側には青い点が多い。その数は11点になります。私はこの地図を見て鬼型の
俺はそのエリアを指で示す。
「鬼型の
「じゃあ、西側を人数をかけて探せば……」
「いえ、あえてこれまで通り行動した方がいいでしょう。西側に死神が集中すれば、鬼型の
黒いコートで
「あぶり出しに2組、火村さんが
反対する者はいなかった。
「……うん。決まりだ。じゃあメンバーは銀崎君、火村さんは確定として他は誰が行こうか。ベテランに任せたいかな……。川崎君と原君お願いしてもいいかな?」
前列に座っていた川崎さんと原さんが頷く。
「私も参加させていただきたいです」
手を上げたのは篁さんだった。
「うん。僕からもお願いしようと思っていたところだ。銀崎君と一番長く動いている篁さんなら動きも大丈夫だろうからね。これでメンバーは決まった。他の人はそれぞれ発生している
「はい!!」
部屋に死神の返事が響いた。部屋から死神が出ていく。
「現場の指揮だけど、銀崎君に任せてもいいかな?」
「え……。部外者の俺がですか?」
「うん。この作戦を一番わかっているのは銀崎君だ。君に任せたい」
「…………」
俺は川崎さんと原さんを見る。
「それで問題ない」
「俺もです」
「鬼型の
「川崎さん……」
川崎さんの手が俺の肩に置かれる。
「頼まれてくれるか?」
「はい。もちろんです」
「ありがとう。俺たちはどこに行けばいい?君のことだから予想はついているんじゃないか?」
「……はい。建設中のマンションか改装工事を行っているマンションのいずれかに潜んでいると予想しています」
「なるほど……。潜むのにはもってこいだな。確か2つのマンションの距離は少しあったはずだよな?」
「はい。5分はかかると見ておいた方がいいでしょうね。茜さんにはこの2つのマンションのほぼ中間地点にある公園で待機してもらって、どちらかが発見したら向かってもらいます」
「オッケー。そうしよう」
「よし、今日で必ず鬼型の
川崎さんが掛け声をかける。
「「「「はいっ!!」」」」
今回は少しでも
「最近2人でイチャイチャしていると思ったらこういうことだったんだね」
「……誤解がある言い回しは止めて欲しいですね。手を貸してもらっただけですよ。オペレーターの方にも手を貸していただきましたし」
車の中で隣に座っていた茜さんが話しかけてきた。
「ホントですよ。そんな言い方……」
篁さんも否定をする。
「私は被害者ですよ。大学の講義サボちゃったんですから……。」
「俺もですよ。高校サボっちゃいました」
「え”……。銀崎さんって高校生なんですか……?」
「噓だろ……」
前に座っていた川崎さんも驚いている。
「はい。そうですよ」
「……年下に見えなかった……。」
「確かに昔から子供っぽくなかったなー」
「いつから知り合いなんですか?」
「私が高校生の時だよね」
「そうですね。師匠に弟子入りした時ですかね」
「…………えっ、おかしくないですか?」
「そんなことないよ。私が17の時に師匠に弟子入りした時、すでに仁君は師匠の弟子だったよ。」
「……銀崎さんっていつから死神やってるんですか?」
「双園基地に正式に席を置いたのは確か……12歳とかだったかな……。それ以前も死神の真似事はしていましたが。……どうしましたか?鳩が豆鉄砲を食ったような顔してますよ」
「いや……こんな話聞いたらそうなりますよ……」
そんな呑気な話をしているうちに鬼型の
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