第4章 驚きの食文化

 中国といえば食文化。

 中国に実際行って感激したのは食べ物がうまいということだ。三国志遺跡巡りで訪問する土地は結構な田舎が多い。素朴な田舎の食堂の家庭料理が安くて美味しいのだ。


 組み合わせに驚いたのは、トマトと卵を炒めた西紅柿炒鶏蛋。中国の家庭料理で、どこの地方の食堂にもあるメジャーな一品。トマトを形あるまま炒めるということに目からウロコだった。

 しかし、これが卵と合う。トマトの酸味と塩を少々というシンプルな味付けがこんなにマッチするとはカルチャーショックだった。この組み合わせを考えた人は天才ではないだろうか。


 中国の餃子は美味しい。日本だと餃子といえば焼き餃子が一般敵だが、中国では水餃子がメジャーだ。水餃子は皮に肉とニラ、白菜などを混ぜたあんを入れて茹でる。手作り餃子は皮がもちもち、あんはジューシーでめちゃくちゃ美味しい。注文すると皿に20個くらい盛ってくるが、小ぶりなので案外ペロリと食べられてしまう。

 水餃子の本場と言えばハルビン。ハルビンビールを飲みながら食べた餃子はすこぶる美味かった。


 中国では羊肉もよく食べる。西安のイスラム街では屋台で羊串をその場で焼いて売っている。店の軒先に羊肉をまるごと吊し、そこから肉を削いで串に刺して焼くというデモンストレーションには度肝を抜かれた。独特の香辛料を効かせた新鮮な肉は臭みが無く美味しい。初めて羊肉が美味いと感じたのは中国の羊串だ。


 田舎の食堂ではユニークなシステムがあった。ガラスケースに並ぶ食材を選び、調理法を伝えて料理を作ってもらうというやり方だ。これには驚いた。食材は出来合いではなく、野菜や豆、小魚など材料そのままだ。メニューはなく、アドリブで調理してくれる。

 基本、味つけして炒めただけなのだが、これが美味しい。中国の素朴な田舎料理は日本にあるようで無い。何故かまた食べたくなる、懐かしい味になった。


 中国といえば、火鍋。火鍋は陰陽の形に区切られた鍋に紅白のスープが用意される。赤色の麻辣スープは薬膳素材や香辛料でパンチがあり、白いスープは鶏や魚のダシでマイルドな風味だ。

 肉や野菜、きのこなど好きな具材を入れて醤油タレやごまだれにつけて食べる。

 いろんな火鍋店に行ったが、どの店も食材が新鮮でいろんなタレや薬味が用意されている。美味しいものに妥協無しという姿勢を感じた。


 注意すべきは、もの凄い量で料理がでてくることだ。スープを頼めば、溢れんばかりなみなみと洗面器のような椀に盛ってくるし、炒飯は明らかに2人前はある。焼きそばは30センチの皿に山盛り出てくるし、加減を知らない。こちらが一人でもお構いなしでスーパー大盛りを運んでくる。

 基本的に料理は大勢でワイワイ食べるものなのだろう。


 中国の食はとても豊かだと感じる。調味料も豊富で、味が非常に多彩だ。素朴な料理にもそれが生きていると思う。







 


 

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