ここからめんどくさくなった

いつの間にここにいた楓に呼びかける。

「楓、いろいろ言いたいことあるけど上がって」

ってかほんとにいつの間に?

「言いたいことってなんやねん。俺は伊織を心配して入ってきたんや!」

勝手に入ってきた自覚はあったらしい。

靴を脱いでないだけまだマシだとかなんとか、ぶつくさ言いながら廊下に侵入してくる。

おい、勝手に洗面所行くな。

そんでちゃっかり僕のうがいコップ使うな。

いろいろ言っていたのだが、聞かない。困ったもんだ。

「それよりあれどないすんの?」

そんなことなど気にしない主義の楓の手により急に話題が戻ってきた。

きっと幽霊のことだろう。

僕にどうこうできるものじゃないから、僕に聞かれても困るんだけど。

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