編集済
いろいろ言いたいこともあって、♡をつけるのを躊躇っていましたが、読んでなかったわけではないんですよ。
全部読んでました。
小烏さんが、参加してくれたら嬉しいですと言うことだったので、最後だけ。
ややこしいことになりますので、本文には起こさないで下さい。
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「邪魔するよ。」
あたしは店の暖簾をくぐった。
「今日の料理はなんだい?」
お水を貰ってから尋ねる。今日のおすすめを聞くと、
「じゃあ、それを。」
と注文した。
「あんた、新吉っつあんだろ?」
若い店主に尋ねる。
「へ、へえ…」
ちょっとビクビクしたような声で答える。
まあ仕方ないね、あたしは気の強そうな女に見えるらしいからね。ま、それも嘘じゃないが。
「あたしは、おりんって言うのさ。つむぎちゃんのお友達、のお友達さ。」
「お友達の…お友達でっか。」
「北の地に、緋雪ちゃんって子がいてね、その子は、つむぎちゃんの…ああ、小烏さんちの女将さんのね、お友達なのさ。あたしは、つむぎちゃんの友達の友達。」
「はあ…。」
「前に、車引きの男が旦那さんと一緒に来なさって、いろいろ料理を教えてるうちに、自分の店を持ったってきいたからさ。来てみたんだよ。」
「そうでっか…でも…あの…あの女将さんは…」
「ふふ。あたしゃ、あんたの旦那さんとも知り合いでね。時々一緒に『あっち』へ連れてってもらってたのさ。」
あたしは、旦那さんの秘密をうっかり人に聞かれてはいけないと思って、そう言った。
新吉っつあんは合点がいったようで、ふかく頷く。
「あんたは、つむぎちゃんに少しだけしか話してもらってないかもしれないけどね、緋雪ちゃんが、つむぎちゃんのことを、たいそう心配していてね。」
「へえ…。」
「なんでも『新吉』という男に、いろいろ作って食べさせてあげてるって言うじゃないか。」
「いや、それは、その…」
「最後までお聞きよ。」
「へ…へえ…」
「あたしはね、つむぎちゃんに、『あんたが無理して作って食べさせることはないだろう。あんたはあんたで忙しいんだし』って言ったのさ。そしたらね、つむぎちゃんは言うんだ。『おりんさん、私は、新吉さんに作り方を教えてあげてるだけなんですよ。』ってさ。」
「は…はあ。その通りだす。」
「作ってあげてたのも、それがホントにどんな味がするもんか味見をさせてあげたかったらしいね。」
「…。」
「あたしは、新吉さん、あんたがつむぎちゃんに無理させてるんじゃないかって、旦那さんに文句も言ってったんだよ?」
「ダンさんに…。」
「そしたら、あんたのダンさん、『新吉も頑張ってんのや。おりんさん、まあ、見守ってやってえな。』って。『せや、今度、あれが店持ちますねん』って言うじゃないか。」
「へえ…」
「だから、どんなもん出すのか、しっかりあたしが味見してやらないとと思ってさ。さ、早く作ってくれないかい。」
あたしは、自分で呼び止めておきながら、新吉を急かした。意地悪な女だねえ。自分で自分のことを笑いながら。
料理がやってくる。
あら、美味しいよ、つむぎちゃん。
あんたの教え方が上手だからだねえ。もっとも、あんたに比べたら、まだまだだけどさ。
「ご馳走さま。」
あたしはお代を払いながら言う。
「緋雪ちゃんにも伝えておくよ。『大丈夫。あの人はちゃんと独り立ちしたみたいだよ。つむぎちゃんの味には及ばないけど、それでも頑張ってるみたいだよ。美味しかった。』ってね。」
新吉っつあんは、深くお辞儀をして言った。
「おおきに。ありがとうございました。」
「また来るよ。」
あたしは、そう言いながら、店を出たのだった。
物語が進んでいくうちに、登場人物が大好きになりました。
ダンさん、ちょいと粋なことなさるじゃァありませんか。
そうですよねえ、お金はこう使いたいものですよねえ。
お父はん、お母はん、よくぞ新吉っつあんを育ててくださいました。
新吉っつあん、ダンさんやみなさんにご恩返しができますように、お店の繁盛を祈ってますよ。
そして、おみっちゃんと所帯がもてたらいい・・なぁ・・
続編ができるといいのにね。
ひとまず、おつかれさまでした。進むさま、ダンさん。
作者からの返信
88様。
沢山、読んでいただきありがとうございました。
今は酔っぱらってるので。
とりとめなくて、スミマセン。(笑)
どうか。
貴方の今夜の夢が。
素敵なもので、ありますように。
ではでは。
お休みなさい。