第4話2 女将のレシピ(シチュー)

たまに寄られる不思議な旦那さんと車夫さん。

ここのところお見かけしないけど、お元気かしら。

イマドキ人力車で移動って、レトロよね。

お城の近くに観光用の人力車があるけど、まさか・・・あそこから?

案外エンジン付きなのかも。

 

そんなことを考えながら、ほほ肉をフライパンで焼いている。

今日はこれでシチューを作ろうと思う。

お友達に教えてもらったように紅茶で下煮して、そのあとワインでコトコト煮るつもり。


 ◇ ◇


玉ねぎ、セロリ、ニンジン、キノコをバターで炒めたらスープへと引っ越し。

下煮をしたほほ肉も、食べやすい大きさに切ってスープに引っ越し。

トマトのざく切りを炒めて炒めて、赤ワインを煮詰めて煮詰めて。

濃厚になったところで、野菜の入ったスープに加えてまたコトコトと煮込む。


あ、マッシュポテトもつけようかな。


 ◇ ◇


食事の後片付けが終わった頃、かすかな物音に気が付いた。

「トントン」というより、「ホトホト」といった感じの音。

この遠慮がちなノックは、たぶん車夫さんね。


勝手口のドアを開けると、レトロな二人が立っていた。

すみませんとしきりに腰をかがめる車夫さんと、にこにこ笑っている旦那さん。


こんばんは。

どうぞ、中へ。

シチューはお好きですか?

すぐに温めますね。

冷え込む晩にはちょうどいいですよ。


※※※※※※※※※※※※※※※


女将さん!

絶品ですわぁ・・・。


おおきに。

御馳走さんです。


写真はこちら。


https://kakuyomu.jp/users/9875hh564/news/16817330650513088609#comment-16817330650514499170

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