20.夏の始まり
「――あっ、下着忘れた」
「レイちゃんっ!?」
更衣室で呟いた
うーん、これは本当に素のガバだ。
スカートたくし上げプレイでみんなの情緒をぐちゃぐちゃに出来ると思ったら、それ以外のことはどうでも良くなってしまった私の失態である。反省。
「とりあえず、制服の下に体操着着て誤魔化すから大丈夫だよ」
「ほ、本当に大丈夫なの?」
「まあ、激しく動かなければ。多分」
ユリちゃんぐらいでっっっかいと色々不味かったかもしれないが、幸い私は今のところスレンダー体型。飛んだり跳ねたりしなければ、まあ大丈夫だろう。
「――という事が有って、今下着付けてないんだ」
「何でそれ
せっかくなので、ユウくんとフユキくんの情緒をぐちゃぐちゃにしといた。ガバをチャンスに変える走者の鑑である。
***
――そんなこんなで時は流れて一ヶ月後。
「お、終わった……」
「ユウくん、それはどっちの意味で?」
期末試験も無事に終わり、いよいよ夏休みは目前である。
ちなみに今回もいつもの四人組で勉強会を行い、ユウくんとユリちゃんの学力向上をサポートしました。出来れば皆で同じ高校狙いたいしね。特にユウくんと同じ高校に行くのはNTRチャート的にもほぼ必須事項である。
とはいえ、進路に関してはユウくんやユリちゃんのご両親の問題もある。
変に現状の学力で行けちゃうような所だったり、学費が高い所は避けた方が無難。
ということで狙うは公立の進学校。意外かもしれないが、進学校の方が生徒の優秀さに胡座をかいて放任主義――もとい生徒の自主性を尊重する自由な校風の事が多いので、私としてもNTRチャート上、色々と融通が利くから都合が良いのだ。
親御さんとしても下を狙うならともかく、高めの理想を目指そうとする子供の希望をぶち折るような事は中々しないだろう。
正直、現状の学力だと私とフユキくんはともかく、ユウくんとユリちゃんはちょっと厳しいのは事実。
まあ、時間はまだまだ有るし、前世貯金のある私が全力でサポートすれば、恐らくは問題無いだろう。ついでに私がラブコメムーブで愛情と性欲を煽って、恋愛ブーストをかけてやれば十分いけると私は踏んでいる。
「それじゃ、お疲れ様会でもする?」
とはいえ、進学に関してはまだまだ先の話だ。
定期試験が終わったばかりで、そんな話をして水を差すことも無いだろうと思った私は、みんなに打ち上げを提案した。
「いいんじゃないかな。どこかファミレスにでも行く?」
「
「わ、
ふーむ。ごはんが食べれて身体を動かせる場所か。
とりあえず、ボーリングとかカラオケがくっついてる総合レジャー施設にでもしておくか。
「それじゃあ、あそことかどうかな? 最近出来たスポーツが色々出来る奴」
「ああ、ゲームセンターとかカラオケとかがくっついてる奴ね。いいんじゃないかな」
皆の了承も得られたので、各自動きやすい服装に着替える為に、一時解散することになるのだった。
***
という訳でやってきました総合レジャー施設。
「わ、
「変なスポーツとか色々遊べて楽しいよ。何からやろうかなー」
さて、定番なアレコレとしては、不慣れな運動からのラッキースケベを狙うのが定番ではあるのだが、私は普段からバリバリ運動が出来るのをユウくん達に見せつけているので却下。不自然だし、あざとすぎるからね。
という訳で、ここはユリちゃんのサポートと称して、お肌の触れ合いでレズNTRポイントを稼いでおくことにしよう。
「あ、あわわ……! レ、レイちゃんっ! た、助けて……っ!」
「大丈夫大丈夫、ほら手つなご?」
ローラースケートで生まれたての子鹿みたいになっている、ユリちゃんを献身的に介護。
何度かすっ転んだユリちゃんの下敷きになったりして、胸を触らせたりもした。
「ご、ごめんねレイちゃん! だ、大丈夫?」
「へーきへーき。あー……でも、ちょっと手の位置が、ね?」
「――ひゃあっ!? ち、違うの! わざとじゃ……」
「ふふ、ユリちゃん慌てすぎ。女の子同士なんだから、別に気にしなくていいよ?」
イイネイイネ。こういうあざといイベント凄くイイよー。
ユリちゃんの目が時たま"獣"になっちゃってるのも凄くイイ!
情欲に抗おうとしている間男(女)達を特等席で見れるのは
私にとって生の映画を観ているようなモンだよ……
「あはは、本当に仲良いよねレイちゃんと白瀬さん」
「……そうだな」
おっと、フユキくんが微妙にユリちゃんを警戒しているぞ。勘のいいガキは嫌いだよ。
寝取り枠同士で潰し合いとかは本当に止めてほしい。私がどれだけ苦労して間男を確保していると思っているのだ。
命がも゛ったいだいっ!!
ワンピのコビーもそう言っていた。だから従え。私の空気を読め。
「あっ、アレ面白そう」
という訳で不穏な空気を流す為に、私はロデオマシンに搭乗。
上下運動で男子二人を前かがみにさせたりして、フユキくんの疑念を上書きしといた。
***
「もうすぐ夏休みだねー」
一通りスポーツレジャーを楽しんだ私達はフードコートで一休み。
目前に迫った夏休みについて、それぞれの予定を話していた。
「
「あれ、意外と少ないんだね。てっきりほぼ毎日やるのかと思ってた」
「正直、ウチはそこまでガチで大会制覇狙ってる部じゃないからな。もちろん、やるからには全力だけど、俺もサッカーで飯食ってくというよりは、楽しむことが第一だと思ってるし」
意外とドライなフユキくんのサッカー観を聞きながら、他のみんなのスケジュールにも耳を傾ける。
「
「
「あはは、ユウくんのお父さん、昔からキャンプ好きだったもんね。昔は私も連れてってもらったりしたっけ」
「まあ、別に僕も嫌じゃないけどね。レイちゃんは?」
「私もユリちゃんと似たような感じかなー。お父さん達の実家に遊びに行くぐらい」
ぬるくなったフライドポテトをつまみながら、私は少し寂しそうな顔で微笑む。
「夏休みは嬉しいけど、みんなと毎日顔を合わせられないのは、ちょっと寂しいかな……な、なんちゃって……」
「あはは、レイちゃんって本当に寂しがり屋だよね」
「う、うん。レイちゃんって結構そういう所あると思ってた……」
「しゃあねーなー……ほら、メッセージアプリでスケジュール帳作ったから、俺らの空いてる日書き込むぞ。全員が暇な日分かってれば集まりやすいだろ?」
きょとんとしている私の頭を、フユキくんがグリグリと撫で回す。
「つーか、普通に長期休暇なんだし遊ぶだろ。当然」
「そうそう。みんなで色んなところ行こうよ」
「う、うん。レイちゃんと一緒に浴衣とか着てみたいかも……」
「みんな……」
私はちょっぴり瞳を潤ませてそっぽを向く。
よし、ノルマ達成。
みんなに見えない角度でニッチャリしながら、自然な流れで夏休みの寝取り枠達との時間を確保した事に私はほくそ笑む。
「おっ、泣いたか? 熱い友情に感動しちゃったか?」
「……もうっ! フユキくんのそういうところ嫌いっ!」
「まあまあ。フユキくんもあんまりレイちゃんで遊ばないの」
すまん。君らで遊んでるのは私の方なんだわ。
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