第669話 空気を読まない上に鈍い女
なんだかそろそろ一大決戦が始まりそうな気がする。三ちゃんの尾張統一において重要な一戦となりそうな気がする。
『……いやまぁ、今までの流れで戦が起こらなかったらビックリですが』
夫(予定というかもはや確定)の三ちゃんがこれから戦うのだろうけど、私は手出ししない。こういう戦とかは夫に任せて、じっと帰りを待つのが良いお嫁さんらしいからね!
『夫のいないところで大坂本願寺を壊滅させた女がなんか言ってる……』
顕如を逃がしたから壊滅していないのでセーフです。三ちゃんも最後の最後で淀城に駆けつけてくれたからセーーーフです。
『基準がガバガバすぎる』
臨機応変で素敵! と褒められてしまった。照れるぜ。
ま、とにかく。
三ちゃんなら任せておけば平気だし、私は私でやるべきことをしましょうか。
最近は『夏!』って感じで暑くなってきたのよね。暑いと色々危険だし、ここは何とかしたいところ。
『あなた外気温くらいでどうにかなる人(?)じゃないでしょうが』
人(?)ってなんやねん。まるで私が人外みたいに言わないでいただきたい。私ほど人類している美少女はいないというのに。
『そういうところです』
どういうことやねん。
ま、正直気温が高かろうが汗一つ掻かないのが私だけど、不愉快ではないとは言っていないので何とかしましょうか。
ここは定番のエアコン……は、いきなり技術が飛躍しすぎだから自重するとして。やはり技術とは一歩一歩進んでこそ価値があるのだ。
『むやみやたらに技術を進歩させている人(?)が何か言っている』
プリちゃんが何を言っているのか急に理解できなくなった。不思議なことがあるものだけれど『人(?)』は止めて以下略。
エアコンは自重するとして、ここは扇風機を作りましょうか。
『電気とモーターも技術を飛躍させすぎだと思いますが?』
ふっふっふっ、甘いわねプリちゃん。扇風機と聞いて電動と考えるのは早計よ!
『……奴隷に羽根を回させる?』
プリちゃんは私を何だと思っているのか。私は奴隷など使わないクリーンで意識高い系ヒロインだというのに。
『ゴーレムの扱いとか、スキルの扱いとか、わりと奴隷じみてません?』
そういうのは人権を獲得してから言っていただきたい。……じゃなくて、こんなにもゴーレムやスキルに対して優しく接している私に何という言いぐさでしょう!
『どこが?』
「どこが?」
【どこがです?】
プリちゃん、師匠、
……あら? そういえば玉龍がいないわね?
『気づくのが遅ーい』
皆様の自由意志に任せているだけです。
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