第634話 敵も味方も被害甚大
まぁでも原因が分かったのなら解決は簡単だ。――千代さんの
『また簡単に言う……』
実際簡単なんだから、いいじゃない。
というわけで! 目覚めよ千代さんの
ほぁたぁ! と千代さんの額を人差し指で突く私。こう、経で絡な秘孔を突くことによって眠っていた『力』が目覚めるのだ!
『……それ、千代さんが爆発四散しませんか?』
ははは、まさかそんな。ちょっとズレるとそうなるかもしれないけど、この私がそんな凡ミスをするはずがないじゃない!
『なんというフラグ』
ちょっとそういうことを言うと本当になる以下略。
「……う? これは、なに……?
苦しげに頭を押さえつけた千代さんはそのままバターンと倒れてしまった。
ん? まちがったかな?
ちなみに千代さんの足元の空気を操作して、リアルエアベッド状態にして倒れた千代さんの身体を受け止めたのでケガはない。はず。
『あぁ、また犠牲者が……』
犠牲者とはなんじゃい、犠牲者とは。それではまるで私が常日頃から犠牲者を出しているみたいじゃないの。
『みたい、ではなく、出しているのです。常に。数多く』
解せぬ。
解せぬりつつ千代さんを『鑑定』する。……あぁ、急に力が目覚めたせいで情報処理が追いつかなくなった感じか。回復魔法で治してあげてもいいんだけど、それだと『力』がうまく身体に馴染まないかもしれないからね。ここは何日か寝込んでもらいましょう。
まぁ、元々持っていたスキルを目覚めさせただけなんだから、現代の本を読ませるために無理やり
『そういうところです』
こういうところらしい。
◇
千代さんは寝込み中。
他の治癒術士は千代さんほどの腕前じゃない。
ということで、入院患者は私がパパッと治してあげましょうか。入院費も取ってないみたいだから居座られれば居座られるだけこちらの損害に――じゃなくて、病に苦しむ人は放っておけないからね! 薬師如来の化身として!
『そういうところです』
≪薬師如来様も、そろそろ化身認定を見直すべきだと思うが……≫
「でも、実際帰蝶に任せた方が便利ではあるよね」
便利な駒扱いされてしまった。解せぬ。
気を取り直して治癒開始。ここは大規模範囲治癒魔法、いわゆるエリアヒールといきましょうか。
「――
短縮詠唱を行うと、入院患者たちはみるみるうちに回復していった。もちろんいつものように風魔法で髪をたなびかせているし、光魔法で私自身をキラキラさせるのも忘れない。
『また無駄な魔力を使って、無駄な演出を』
無駄じゃありませーん。演出は大切なんでーす。
※仕事の都合で執筆できないので、三日ほどお休みします。すみませんがよろしくお願いします
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