第578話 新作エロゲ、織田信長だけどハーレムを作ってしまった件
最近の三ちゃんはモテすぎである。モテ期到来である。
『……そうですか?』
人間の恋愛事情には疎いらしいプリちゃんが首をかしげていた。
『少なくとも、ポンコツよりはマシだと思いますが』
私をじっと見つめながら『ポンコツ』とか言ってくるのやめてもらえません? まるでこのパーフェクトでジーニアスでエクセレンツ! な私がポンコツみたいじゃあーりませんかー!
『そういうところです』
こういうところらしい。
しかし、何とも手の早い男である。玉龍なんてわざわざ馬に変身して駆けつけたし。景虎さんも「おもしれー男」という目で見ているし。ここでさらに長慶さんの妹が登場とは!
正ヒロインである私に、人外系ヒロイン、近所に引っ越してきた天才系酒豪お姉さん、そして政略によって決められた許嫁……。これはもうエロゲーが作れそうよね!
『エロゲーって』
泣きゲーとかの方がいいかしら?
『その場合、泣くのは敵勢力なのでは?』
私と三ちゃんの純愛は敵すら涙して改心するらしい。照れるぜ。
『あと、あなたが正ヒロインは無理がある』
解せぬ。
『どう考えても主人公にちょっかいを出してヒロインとの仲を強化するきっかけになる系ラスボスでしょう』
解せぬ。
『あるいは善悪の区別が付かない系の敵が、主人公との交流によって人間らしさを学んでいき、最後は主人公を庇って命を散らす役』
解せぬ。
アルティメット親友であるプリちゃんからの評価を正すためにも、ここは一発正ヒロインっぽいところを見せなければ!
え~っと、まずは……。
…………。
…………………。
…………………………。
……とりあえず、一発押し倒しちゃう?
『これだから恋愛経験が絶無なまま結婚適齢期が過ぎてしまった女は……』
もうちょっと手加減してくれませんかね、アルティメットスプリーム親友。
『そもそも織田信長の正ヒロインは生駒吉乃では?』
史実でぶん殴ってくるの、やめてもらえません?
『出会ったときにはすでに他人の嫁で、家格からして正妻にはできず。しかし愛を育んだ結果後継者である信忠を産むと』
それ、私(正妻)が完全な邪魔者の展開じゃありません? 気のせい? 気のせいかしら?
『史実で事実ですね』
もうちょっと手加減以下略。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます