第577話 此奴は歴史を変えすぎである
今の堺には三ちゃんがいるし、景虎さんもいるし、三好長慶さんもいる。戦国マニアが見たら鼻血を出しそうな光景だ。
『さすがに鼻血は出しませんが。しかし史実において出会うことがなかったであろう信長と長慶がこうして義兄弟になる可能性が出てきたのは中々。三好長慶はことによっては信長を超える先進性を見せていましたし、この二人がお互いに影響し合ったらどうなることか……』
久々に長文で語りまくる歴史オタであった。
さて。戦国最初の天下人とすら評される三好長慶さんだけど、三ちゃんに妹あたりを嫁がせて義弟に組み込もうとしているらしい。
ここで「妹の嫁ぎ先を兄が決めるのなんて間違っている!」と主張するのは価値観の押しつけになるので気をつけましょう。価値観なんてその時代、その場所によってぐるんぐるん変わってしまう。私は
ま、三ちゃんはイケメン&良い男&出世頭なので、家の都合の結婚だとしても、長慶さんの妹さんは泣いて喜ぶに違いないわね。
『価値観の押しつけ……』
解せぬ。
しかし、見る目があるわね長慶さん。いやお義兄様。まだ三ちゃんは大して活躍していない『うつけ』だというのに、もうその実力を見極めるとは!
『お義兄様って』
三ちゃんの義兄になるのだから、つまり私の義兄でしょう?
『可哀想に』
まるで私が義理の妹になることが悲劇であるような物言い、やめてもらえません?
≪実際、悲劇ではないか? 巻き込まれる可能性が激増するという意味で≫
いつの間にかやって来た玉龍が何とも失礼なことをほざいていた。私の家族になったら病気の心配はないし、いざとなったらお金を貸してあげるし、よっぽどのことがない限り敵対しないというのに。解せぬ。
『肉体の病気にはならなくても精神が擦り切れる可能性が』
≪金を借りたらあとが怖いのぉ≫
「よっぽどのことがあれば敵対するんだ……家族なのに……」
プリちゃん、玉龍、師匠から「うわぁ」という顔をされてしまった。解せぬ。
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