第525話 500話&300万pv突破記念 プリちゃん美少女化計画


「――やっぱり、プリちゃんは美少女になるべきだと思うのよ」


『はぁ?』


 プリちゃんが絶対零度の視線で見下してくる(プリちゃんは光の玉だから視線なんて以下略)けれど、そんなことで怯む私ではない。


「よく考えて? 私はともかくとして、三ちゃんの周りにいる女性は戦闘狂の長尾景虎さんとか、雑賀三姉妹くらいしかいないじゃない。しかも三姉妹のうち鶴さんは人妻だし」


『長尾景虎さんを戦闘狂扱いは……扱いは……うん』


 否定しようとするのに、否定できないプリちゃんであった。


「やはり信長公記を今から書くとして、ヒロインは複数必要だと思うのよ。もちろんメインヒロインは私だけど、その他にもたとえば近所の頼れるお姉さんとか、気の置けない幼なじみとか、敵国の姫とか、生駒吉乃さんとか」


『最後だけ実名が出てますけど?』


「史実での実質的な正妻だからね。私としても粗雑に扱うわけにはいかないわ」


『ヒロイン扱いしている時点でずいぶんと雑な扱いじゃないですか?』


 後の天下人どころか世界の覇者のヒロインだというのに。どこが雑な扱いだというのだろうか? 解せぬ。


 そういえば、商人の生駒家宗さんが娘である吉乃さんを三ちゃんの奥さんに、と考えていたみたいだけど、あれはどうなったのかしらね?


美濃のお姫様あなたが出てきたから中止になったんじゃないですか?』


 なんということでしょう! 史実において愛し合う二人を引き裂くことになるだなんて! 私も三ちゃんを愛しているけどそれはそれ、ここは家宗さんと会ってお話ししなければ!


『……やはりあなたはどこかおかしい』


 呆れるプリちゃんに矛先を向ける私である。


「で、長尾景虎さんも三ちゃんに興味を持っているけど、やはりちょっと色物というか、キャラが濃いじゃない? 吉乃さん一人じゃかき消されそうじゃない?」


『上杉謙信好きに後ろから刺されますよ……?』


「ここはやはりもうちょっとキャラが薄めというか、正統派美少女を用意するべきだと思うのよ。そうなると、やはり適任はツッコミ役プリちゃんよね」


『…………、……あなたも悪い意味でキャラが濃いですものね』


 悪い意味でって、どういうことやねん。解せぬ。




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