友だち
こんにちは。昨日ぶりだね。
僕かい?
久しぶりに友情小説を読んでいるんだ。
意外と面白くてね。僕は学生の頃、ずっと本ばっかり読んでたから友達作る機会があまりなかったんだ。
あ。それじゃあ、今日は友だちに関する話をしようか。
高校生の
水月は、
華はそんな二人の恋を応援していたんだ。二人とも、友達として大切だったからね。
ある日のことだった。
下校途中、華は日向に相談を持ちかけられたんだ。
もうすぐ水月の誕生日があるから、何をプレゼントしたらいいか迷っていたとのこと。
水月と日向は一緒に下校するが、今日は水月は用事があって先に帰ったらしい。
華は「日向が渡すものなら何でも喜ぶよ」と答えた。
次の日、華は教室で水月と会った。だけど、水月は浮かない顔をしていたんだ。華が声をかけると水月が不安そうにこう言った。
「日向の様子が可笑しいの。何か知ってる?」
華は昨日のことだと分かった。だけど、日向に秘密だといわれたから分からないって答えた。
そしたら、誰かに見られてる視線を感じたんだって。
その方向を見ると、気の強そうな女の子が二人を睨んでいたんだ。名前は、
水月と萌火は幼馴染だけど、仲が悪いんだって。噂によると、萌火は水月を校舎裏に呼んでイジメをしているとか。
日向はそれに関してとても怒っており、一度萌火と揉めたことがあったらしい。
そのため、華も萌火のことをよく思ってなかったんだ。
だから怯える水月を守り、萌火を睨み返した。
それから体育の時間が来た。華は体を動かしたからすごく汗をかいていた。水月に顔を洗ってくると伝えて、水道水の方へと向かった。
タオルを上に置いて華は顔を洗い始めた。顔が水で浸され、拭き取ろうとタオルを手に取ろうとした。
その時だった。
「だめ!!」
突然、遠くから声がして華は顔を上げた。声の正体は萌火だった。何やら必死そうな顔でこちらに走ってきて、上に置いてあった華のハンカチを奪った。
「何するの!」と華は言おうとしたけど、そのまま黙り込んでしまった。
萌火はハンカチを広げた。
なんと、そこには画鋲が何個も入ってたんだ。
華はその光景に唖然とした。
萌火が言った。
「水月がハンカチに入れてたのを見たから急いで止めに行ったんだ。間に合ってよかった…」
萌火は安心した顔をしていた。だけど反対で華は、顔を青ざめた。
もし、萌火に教えて貰わずにあのまらまタオルで顔を拭いたら…。
それ以上は考えるのをやめた。
「水月はあなたのこと友達なんか思ってない。日向と幼馴染だっていうあなたことが憎いって、嫌いだって言ってた」
萌火は、「あいつには気をつけてよ」そう言って画鋲を抜き取り、華にタオルを返した。そのまま、彼女は教室の方へ向かった。
だけど、華は萌火の言葉が信じられなくて念の為に聞いたんだよ。水月本人に。勿論、彼女は驚きながらも首を振った。
「もしかして、疑ってるの…?」
「いや、そう言うわけじゃないんだけど…」
「私、華にそんなことしないよ。最近可笑しいよ。昨日、日向と二人で帰ったりさ、今日の事だって私を疑って酷いよ。私達、親友でしょう?」
そう言って、水月は顔を俯かせ手で覆った。
鼻を啜るような涙声も聞こえた。
慌てて、華は謝ったんだ。
「ごめんね。疑っちゃって」って。
でも、中々顔を上げないし、泣き声も徐々にエスカレートしていった。何人かの生徒が二人に注目していた。だんだん、視線も増えた。
女子生徒何人かが、水月に声をかけた。水月は事情を大きくすることもなく、
「何でもないの。悲しい事があったから華にそれを伝えただけなんだ」
と言って周りの騒めきは収まった。
だけど華は、密かにこう思っていた。
水月の泣き声が、笑い声のように聞こえるって。
これでお終いだよ。
今でも華は変わらず水月と一緒に居るみたい。萌火が言ったことは一体何だったのかな。
でもね。僕は萌火が嘘をついたとは思えない。
だって、水月は日向と華が二人で帰ったことを知らない筈なんだよ。
彼女はどうして知ってるんだろうね。
結局、どっちが本当のことを言ってるんだろう。
君は、クラスで誰と仲良しなのかい?
へえ、同じクラスのまりなちゃんって子なのか。
いつも気にかけてくれるところ?
ずっと一人でいるから話しかけてくれるのが嬉しい…?
ちょっと待って。君はいつも一人でいるの?
じゃあ、そのまりなちゃんって子は?
えっと、他のみんなに話しかけても無視されたりする…?
ずっと一人でいるから図書室に居るのが好き…?
まりなちゃんは話しかけてくれるから嬉しい…?
……そっか。
じゃあ、今度君の担任の先生に相談してみるよ。今の所、見たところ体に傷とかないみたいだしね。
もし、怪我させられたら担任の先生や親にすぐ言うんだよ。 それが言えなかったら僕に相談しても良いからね。
大丈夫、僕は君の味方だから。
うんうん、辛かったね。
そりゃあ、無視されたら悲しくなっちゃうよ。
そんな時は、思い切り泣いていいんだから。
大丈夫。大丈夫だよ。
また明日も、お話ししてあげるね。
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