第44話


 コスプレ衣装のレンタル屋さん。そこで姫華さんは女子高生の、それも白ギャルが身につけてそうなくだけた服装姿で、顔を赤くして震えていた。


「ぐぬぬ」


 短いスカートを握り、必死に細くて綺麗な脚を隠そうとする姫華さん。


 いけすかない奴が屈辱に震え、羞恥に悶える姿を見るのは、どうしてこうも、心がすっきりとするのだろうか。


「似合ってますよ、姫華さん」


「似合ってるわけないでしょ! 脱ぐわ! こんなの今すぐに脱ぐわ!」


 そう言って、更衣室に逃げ戻ろうとした姫華さんを止める。


「いいんですか? あの写真、姫乃に見せますよ?」


 俺は車の中で姫華さんにくっついてツーショットを自撮りしていて、それで脅して制服を着させていた。


「もう勝手に見せればいいわ! やましいことはないもの!」


「悲しむと思うな、姫乃。お母さんが同級生の男の子とくっついてツーショット撮ってるなんて。自分の母親がそんなことしていると知ったら、もう親子仲は……」


「わ、わかったわよ! 着てればいいんでしょ、着てれば!」


 くぅ〜っと悔しさと羞恥に声を上げる姫華さんに、満たされる。


 が、もうちょっと遊びたいので、次の衣装を用意した。


「次、これきてください。これ」


「は、はあ!? 貴方、正気!?」


「いいですから」


 と更衣室に押し込む。


 しばらくして出てきた姫華さんは、また赤い顔で震えていた。


「く、屈辱だわ」


 姫華さんが身を包んでいるのは、ふわふわ、ひらひらの白ロリ。美人が可愛らしい服装をしているアンバランス感、それでも似合ってしまう感じが堪らなくおかしくて吹き出しそうになる。


「可愛くてごめんって言ってください」


 ぎりっ、と噛みしめられた音があまりにも心地いい。


「姫乃に写真、送ろうかなぁ」


「……可愛くてごめん」


「っぷ、あははは! 姫華さんが、可愛くて? ごめん? あははは!!」


 流石に堪えきれず笑ってしまった。


「〜〜〜〜〜〜!!」


 顔真っ赤の姫華さんに次の衣装を渡す。


「次。次、いきましょ」


 俺の持った衣装をばんと奪い取り、姫華さんは更衣室に引っ込んだ。


 そして出てきたのはバニー姿の姫華さん。結構際どい衣装で、お腹もお尻も足も露わになっている。肌は歳を感じない瑞々しさだけど、肉付きは女子高生に比べると僅かに熟れていて、むっちりともちりと柔らかそうなのがエロい。


「姫華さん、エロいです。何でも似合いますね」


「く、くぅ〜、あ、貴方、地獄に落ちるわよ!」


「ははは。次いきましょ、次」


 それからも、ナース、メイド服、ミニスカポリス、などなど。色々着せ替えて遊び、最初の制服に戻ってきた。


「まだこれが、マシな気すらしてきたわね……」


「ですか。じゃあ、これで外いきましょう」


「い、嫌よ。それは無理だわ」


「もういいじゃないですか。今更でしょ」


「そうだけど、私車を運転するの。制服姿で警官に止められて素性がバレたら、目も当てられないわ」


 それはたしかにそう。そんな光景を見たくはあるが、何と言うかそれは違うと思うので、俺は着ていたジャケットを姫華さんにかけた。


「え」


「これで大丈夫ですよね」


「あ、ありがとう……じゃ、ないわ! 私は娘の同級生に何をされているのかしら!?」


「それも今更じゃないですか」


 それから姫華さんを何とか宥め、結局、制服をレンタルして店外へ。


 車に乗って次に向かった先は、大型ショッピングモールだった。


 入り口の自動ドアがウインと開くと、家族連れ、友達同士、学生カップル、老若男女、たくさんの人が行き交っていた。


「デートって言えば、ここですよね」


「はん。こんなとこでデートぉ? 男の器が知れると言うものね?」


「じゃあ姫華さんはどこでデートならいいんですか?」


「ふふん、それはもう、お城に決まってるじゃない。北欧の古城で、歴史を振り返りながら、風に自然を感じるの。日が沈みかけたら、スポーツカーで海沿いをドライブして、夜は最高級ホテルで夜景を楽しみながら、フレンチに舌鼓を打つ。年代物のワインを嗜んでね」


「制服コスしてるくせに、何言ってんですか?」


「〜〜〜っ!!」


「女子高生らしく、モールでデートしますよ。ほら、もうお昼なんで飯行きましょ、飯」


「あ、ちょ、待ちなさい!」

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