第7話
キャンプは順調に進んでいった。皆も楽しそうだった。けれど、先生は顔に憂いを帯びていた。
そして、夜になった。
男女に分けられたテントに入ってから皆が眠って、いびきが聞こえ始めたあたりで僕は外に出た。
川の流れとは逆にずっと歩いて行く。目印を見逃さないよう、足元を見つめながら。
あった。
石と葉が不自然に重なって置いてある場所。暗闇の中では目立たなかったが、何度も来ているので距離や景色を覚えてしまっていたのだった。
しばらくそこで手頃な岩に座って待っていると、足音がして先生が現れた。
「先生」
こんばんは。
「ついに来ちゃいましたね」
なるべくしてなったのよね。
「この連鎖は、いつまで続くんでしょうね」
分からない。でも、私には終わらせる勇気が無かった。
「先生は悪くない。今日、僕が終わらせるよ」
先生は最後に笑った。
ありがとう。じゃあ、よろしくね。
僕は頷いてから、五年前のあの日のことを思い出した。
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