第4話
小さな集落だから、教師志望だった先生が僕の担任になったのも不思議ではなかった。
むしろ、今年配属されてきた先生と始業式で会った時、お互いのことが分かったことの方がよっぽど不思議だった。
キャンプは明日に迫っている。
荷物の準備やらスマホの充電やらを終わらせて布団に寝そべると、すぐに眠くなった。
先生がぎこちなく笑ってる。
「ここはどこ?」
私は水槽の中。あなたはその外にいる。
「水槽?駄目だよ先生、死んじゃうだろ」
どうして?そっち側だって結局大きな水槽にすぎないわ。
「とにかく、はやく出てよ。僕、なんだか吐き気がする」
ごめんね、それは無理なの。
「なんで?おかしいよ、先生は水そうをもって歩いてたよ、中にいたのは金ぎょだったよ」
そうね、けどね、今度は私の番だから。
そして、あなたは…
「先生…」
目が覚めてぼんやりした頭で呟く。
朝日が容赦なく部屋を照らしている。
ため息を吐いて、目元を拭く。
もう行かないといけない。
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