第4話 side ドースとドジャー

 俺はドースというただの兵士だ、おやじも兵士なので俺も兵士になった。


 今日から坊ちゃんのライト様の剣術の相手をすることになったが、魔道具の剣があるから坊ちゃんがケガをすることはないだろう。


 師匠のドジャー様からはビシ・バシ行けって言われているが、弱い者いじめみたいで嫌なんだよなー。


 始め、レベル差や年齢差もあり軽く遊び程度と考えて相手をしていたがどうしても一撃目は受け止められてしまう。だんだん力が入ってきてしまったが相変わらず一撃目は受けられてしまう。


 どーなっているのか?何かのスキルかと思って聞いたが、あのはずれスキルしか持っていない、《聖なる盾》スキルは盾で受けるスキルで剣で受けるスキルではないはずだ。


  それと、もうふらふらになってもうダメと思われるときに鋭い斬撃が来るのはなぜだ?あれはヤバイ、急に鋭くなるので初めはあせったが今はふらふらになってライト様が倒れそうな時しか出ないとわかっているので対処出来る。


 ふらふら状態の攻撃を受けても魔道具でまったくダメージが無いので、倍返しのようなスキルでは無い事も判明している 何なんだろー。


 俺はこの一か月、毎日午前中も修練している、魔物は週一で討伐に行っている、レベルも少しは上がっている、俺は強くなっているはずだ、ライト様はどうして一撃目を受け止められる?なぜ受け止めて立っていられる?


 俺は修練を始めたころは先輩の一撃を受け止めると吹っ飛ばされて、いつも泥だらけで一撃を喰らった方がまだましと思っていた。


 昔、手抜きして防御せず一撃をくらってたら、ドジャー師匠にこってり説教を貰うって散々だった思い出しかない、ライト様は一撃目は受けきって、2撃目は受けが間に合わずスパーンといいのが入る。


 攻撃を受けても一撃目を受けるだけの力があるようにも見えない、手を抜いているようには見えない、まったくどーなっているのか解らん。


 わしはライト様の師匠になることになったドジャーという。


 剣聖の称号があり剣に関しては子爵領では右に出るものはいないと自負しておるが寄る年波には勝てず、長期戦は不利になってきた、わしが長期戦になることは無いので今でも子爵領一の使い手であると最近まで思っていた。


 バカ弟子のドースの育成もかねて今回、ライト様に剣術を教えることとなったがバカ弟子ドースの攻撃が一撃目で決まらない、スキを見つけてフェイントを入れてでも初撃で決めろと日頃が言っている。

 相手が弱くても慢心せず一撃必殺が生き残る秘訣と教えているのにどーなっているだ。


 スキルがあるこの世界に於いて攻撃後に何が帰って来るかわからない、攻撃する場合は一撃必殺が基本だ。

 

 バカ弟子も最初は手を抜いていたが、本気になり最近は全力でいっている様に見えるが必殺の1撃目はどうやっても受けられている、必殺の一撃目より弱い2撃目・3撃目は受けられないで攻撃が入るのはどうしてだ。


 それとあのふらふらの状態からわけのわからない鋭い斬撃はなぜ放たれる、どうしてか? 


 剣聖になる前から剣技やスキルについて皆の者より研究し尽くしていると思っていたが、この不思議現象は初めてである、称号の《白き者》が関係していると思うが詳しく調べるしかない。


 ある意味どんな一撃目でも受けることが出来るのであれば、本当の意味ではないが後の先と言われる達人レベルも夢でないかもしれない。


 2連撃・3連撃などのスキルにも対応できるかどうか、確かめたいこともあるがまだ基礎の段階である、もう少し成長してからか。


 その前に子爵様へライト様の称号について詳しい《鑑定》を行う事が先かもしれない。


 自分のステータスに表示されない隠れスキルは今までも実際にあり詳しい《鑑定》には王都にある「祝福の宝珠」を使ってライト様のステータスのレベルを上げるか、高レベルの《鑑定》スキルで見てもらう事だが、レベル5以上の鑑定レベル持ちは中々お目にかかったことが無い。


 過去に高レベル者の《鑑定》持ちの冒険者に貸しがあり、《鑑定》行った事があるがその本人自体も《鑑定》スキルが隠れスキルで冒険者を続けていて引退する頃に、隠れていた《鑑定》が発動したらしい。


 《鑑定》スキルのレベルが低い時はある程度鑑定するものをじっと見る行為は必要だ、スキルがある人はその行為を続けられるが隠しスキルの者はなかなか発動しないし、発動しても気が付かない。


 わしの知っている限りでは生き物を鑑定出来る者は少なく、やはり調べるためには王都にある「祝福の宝珠」で本人のステータスのレベルを上げるのが現実的だ。





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