極上のキス【美麗】

飴ちゃんに、家で待つように言われた。


懐かしくて堪らない。


飴ちゃんに、綺麗にされたい


心も体も…。


飴ちゃんが、帰ってきた。


飴ちゃんと一緒にいたい。


飴ちゃんに、見せられた写真に驚いた。


やはり、俺は名も知らない男に抱かれたのだ。


飴ちゃん以外に、その顔を見せた自分に失望した。


自分の体を八つ裂きにしてやりたかった。


飴ちゃんは、ラムネがあれば自分じゃなくてもいいのかと俺に言った。


そんなわけない、そんな事あるはずがない。


飴ちゃんじゃなければ、駄目だよ。


もし、飴ちゃん以外にそうなるなら俺は死にたい。


消えたい


そんな俺に、飴ちゃんは、キスをした。


極上のキスだ。


5年前ー


「飴ちゃんと付き合えてよかったね」


「かー子さん、でもまだキスだけだよ」


「キスだけ?美麗君、飴ちゃんのキス舐めてるよね?」


「どういう意味?普通だよ。優しくて、暖かくて」


「はぁー」


かー子さんは、俺の言葉にやれやれって顔をしながら首を横に振っていた。


「ため息つかないでよ」


「この人の動画検索して、見てみて」


そう言って、スマホの画面を見せられる。


「一ノ瀬万里香って、人気女優さんだし。飴ちゃんより年上だよ。47歳だっけ。綺麗だよね」


「いや、そうじゃないから」


そう言って、かー子さんは手を左右に振った。


「いつの動画見るの?」


「10年前の、暖かな花束を…の撮影の話で、忘れられないキスの話してるから聞いてみなさい」


かー子さんに言われて、俺は家でパソコンの大画面で、それを見たんだ。


一ノ瀬万里香の動画ー


『今回のお話で、忘れられないキスのお話がでてきますか。一ノ瀬さんにとっての忘れられないキスとは、どんなのでしょうか?』


『そうですね。昔、いたある俳優さんとのキスは、極上でしたね』


『それって、お付き合いされていたのでしょうか?』


『まさかしてませんよ。彼とキスシーンをした事があっただけです』


『どんな風に、極上だったのでしょうか?』


『そうですね。キスだけで頭も心もとろけて幸せを感じる。それだけで、肌を重ねたような感覚を得る。不思議なキスでした』


『すごいですね。その人以外とは、そうなった事はありますか?』


『一度もありません。そんなキスは…。大切な思い出ですね』


そう言って、一ノ瀬さんは笑っていた。


俺は、動画を止めた。


次の日ー


「飴ちゃん、極上のキスできるの?」


俺は、唐突に飴ちゃんにそう言った。


「何の話?」


「飴ちゃん、俺にするキス加減してない?」


「わからないけど、何で?」


「一ノ瀬万里香にしたキスをしてよ」


「動画みたの?」


「わかってたの?」


「知ってるよ、その動画。働いて暫くしてお客さんできたから」


「飴ちゃん、じゃあやって」


「覚悟してね」


そう言ってしてくれた飴ちゃんのキスで、俺は腰が砕けた。


ヘナヘナと床に崩れ落ちて、俺は果てていたんだ。


現在ー


「洗濯しとくから、また取りにおいで」


お風呂をいれた、飴ちゃんは俺を立たせてくれた。


「立てる?」


「うん」


まだ、足に力がはいらない。


「立ったら、汚れちゃう」


「いいよ、片付けるから」


「俺だけ、恥ずかしい」


「何で?汚すから」


飴ちゃんは、恥ずかしがってる俺が面白いようだった。


「もう一回やったら、帰れなくなるけど試す?」


飴ちゃんは、悪戯っぽく笑って言った。


「駄目だよ、明日お昼の生放送でるんだよ」


俺は、飴ちゃんにそう言って怒ったふりをする。


「ドラマの番宣?」


「そう」


「じゃあ、やめとくか」


そう言って、飴ちゃんは俺の服を脱がしてくれる。


「自分でするよ」


「できないよ。力うまくはいってないから」


そう言って、飴ちゃんは靴下から順番に脱がしてくれる。


「駄目だよ。汚いから…」


「大丈夫」 


洗面所にもたれて、立ってるだけで俺は精一杯で、すごくドキドキしていた。


「濡れてるよ」


靴下を脱がして、飴ちゃんに言われた。


顔が、熱い。


「飴ちゃん、もういいよ」


「駄目だよ。服着たまま入れない」


そう言って、飴ちゃんは俺のベルトを外す。


ズボンを脱がされた。


俺は、恥ずかしくて、火が出そうになる。


パンツを脱がされて、飴ちゃんはセーターを脱がす。


それが、終わるとズボンから、鍵やスマホをとっていた。


「入ろうか?」


俺は、コクンと頷いた。飴ちゃんは、裸になった、俺をお風呂に連れていってくれた。





*この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません*

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