怒りが沸き上がる

「大丈夫?」


美麗が、出迎えてくれた。


「ああ、息があがった」


俺は、飲み物を玄関に置いた。


「階段で、あがってきたの?」


「うん」


俺、何でこんなにイライラしてんのかな?


「美麗、誰かに抱かれたか?」


何聞いてるんだ、俺。


「そっちも、金森抱いてるの?」


「だから、なんだ」


俺は、靴を脱いだ。


駄目だ、やっぱり怒りを押さえられない。


「俺は、あの日…」


美麗の言葉を遮るように「薬物は、二度とするな」と言った。


俺の言葉に美麗が、俺の腕を引っ張る。


床に、ビールがばら蒔かれた。


「最悪だ」


俺は、ビールを拾う。


「薬物なんか、絶対にやらない」


俺は、怒りに任せて美麗の顎を掴んだ。


「絶対に、その気持ち忘れるな」


俺はビールを拾って、キッチンに行く。


「もう、話しはない。帰れ」


苛立ちで、何かをしてしまいそうで怖かったから俺は、美麗にそう言った。


俺は、洗面所に行く。


何故か、美麗がついてきた。


「なんだ」


「帰らないよ。まだ、話したい」


ヤバイ、俺のイライラはMAXになった。


「ラムネやったら、俺に抱かれなくてもこんな顔すんのか…」


気づいたら、スマホの動画から写真にして保存していた美麗の写真を見せてしまった。


俺は、最低だ。


「飴ちゃん」


美麗は、それを見て泣いてる。


「帰れ」


「嫌だよ」


そう言って、美麗が俺の手を掴んできた。


「じゃあ、今の説明しろよ」


「この写真は、記憶がないよ。記憶がないのに抱かれたって気持ちよくなんてないよ。何で、こんな顔してるかわからないよ。飴ちゃんとしたのしか、覚えてないよ。覚えていたくないよ。次の日、死にたかった。辛かった」


そう言って、美麗は泣いている。


俺は、洗面所の扉に美麗を押しつけた。


「失望したのか?自分テメーに」


俺の言葉に美麗は、俺を見つめていた。


「何で、わかるの?」


「俺以外にはしないって話だったよな」


「でも、俺は」


「だったら、これからは俺としかするな」


「また、してくれるの?」


「するわけないよ。したら、ハリーさんに怒られる。ただ、お前から失望だけは取り除いてやるよ」


そう言って俺は、美麗にキスをした。腰を押さえて、さらに引き寄せる。

これを使うのは、一年に一度だけって約束だった。


じゃなかったら美麗の体がもたないのがわかってたから…。


「んんっ、あっっー」


美麗が、崩れ落ちそうになったのを俺は支えた。


「その顔…。しなくても、出来るんだな」


カシャッ


俺は、そう言って写真を撮った。


「どうしよう」


俺が手を離したから、美麗は、床にヘナヘナと座り込んだ。


「年に一回だったろ?これ」


「うん、キスだけで…恥ずかしい」


「そうだな」


恋が、俺に言った言葉。


俺は、美麗にだけはこれが出来る。


嫌、美麗と出会ってからは美麗にしか使わないと決めた。


夏生さんが教えた、最高のキスだ。


「服かえるか?それ、ヤバイぞ」


「あっ、本当だ」


俺、わかったよ。ハリーさん


美麗に色気を出さす方法。


「飴ちゃん、続き」


「しない」


「でも、金森と」


「これからも俺は、美麗以外を抱く。嫉妬してくれるか?」


俺の言葉に美麗は上目遣いで俺を見つめる。


「するに決まってるよ」


「じゃあ、もっとしろよ。嫉妬。そして美麗は、我慢するんだ」


「これだけって事?」


「ああ、それだけだ」


美麗は、まだ立ち上がれずにいた。


「飴ちゃん、生殺し」


「そうだな。だからって他の奴とそうなったら二度としない。キスも会うこともわかったか?」


「わかった」


美麗は、潤んだ目をしながら俺を見つめていた。


「キスだけなら、もう一回してあげようか?」


「いいの?」


「いいよ。そのかわり、次会うまではおあずけだから。それでもいいのか?」


「うん」


俺は、美麗の唇に唇を重ねた。


美麗は、またとろけた。


「危ない、怪我したら寺ちゃんとハリーさんに怒られる」


「ごめん。脳までとろけた」


「そうか、立てるか?」


「うーん。無理」


「二回は、さすがにキツかったか」


「飴ちゃんは、我慢できるの?」


「俺は、大丈夫だ」


「嘘」


さわるな」


「やっぱり、嘘でしょ?」


「大丈夫だ」


俺はそう言って、美麗の手を掴んだ。


「風呂いれるよ」


俺は、お風呂をいれに行く。


やっぱりハリーさんに相談しよう。


俺は、気づいた。


美麗に、色気をつける方法。




*この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません*

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