美麗は、そんな事しない

俺は、店が終わって風鈴に行こうと店を出ていた。


「飴ちゃんだよね?」


帽子を目深に被った男に、突然声をかけられた。


「誰だ?」


「俺は、金森翔吾かなもりしょうご


そう言って、男は帽子の鍔をあげる。


「何の用だ?」


「やっぱり、美麗が好きなだけあるよ。イケメンにイケボ。ゾクゾクする」


そう言って、俺の顎を掴んでくる。


「やめろ」


「俺と契約しない?飴ちゃん」


「何の契約だ?」


「俺のセフレになってよ」


「そういうのは、もうしない」


そう言った俺の顔を金森は、覗き込む。


ちょっとこっち来てくれる?


そう言われて、俺は腕を引っ張られて待っていた車に乗せられる。


「ラムネって知ってる?」


カリカリと音を立てながら、金森は何かを食ってる。


「何だ、それ?」


丸いお菓子を持ってる。


「違法薬物、通称ラムネ」


「それがどうした?」


「今、若者の間で流行ってるって知ってた?」


「お前が食ってる、それか?」


「俺は、しないよ。だって、まだまだ売れたいから」


「美麗だってしない」


「信じてるんだね」


「あいつは、そんなもんしなくても飛べるよ」


俺の言葉に、金森は、動画を再生した。


『ハハハ、くるくるしてる』


『楽しい?美麗』


『うん、飴ちゃん』


『おいで』


美麗は、誰かと濃厚なキスをしてる。


「まだまだ、撮れてるけどここまでにしてあげる」


「ラリってんのか?お前がやったのか?」


「そうだよ。飴ちゃんが欲しかったから…。西城さんに会ったでしょ?」


「ああ」


「あの人が、飴ちゃんを見つけてくれた」


「その動画の男と俺を勘違いして、美麗はそうなったのか?」


「そうだよ、最後まで見たい?」


「いらない」


動画を見せられてから、胃が、ギリギリと捻られる痛みがする。


「じゃあ、契約しない?週に一回俺とするだけ。金は、払うよ。一回10万。もししないなら、週刊誌にリークする。こんな写真とか…」


そう言って、金森は写真をスクロールする。


「この男の名前は、誰だ?」


「ああ、宗方道理 むなかたどおり。家が真面目すぎてね。この人は、レールをはずせないから相手を破滅させるの」


「こいつに、美麗をお前が売ったのか?」


「そうだよ。ずっと欲しかったよ。飴ちゃん」


そう言って、金森はもう一度写真をスクロールして見せる。


「これ、美麗と俺の写真。何で、お前がもってる?」


「パクったから、美麗のスマホから…。美麗がね、あんなに可憐にかわった。だから俺は、ずっと飴ちゃんが気になってた。それから俺は、飴ちゃんが欲しかったのに飴ちゃんは、風鈴の子供がきを欲しがるんだもん」


そう言って、写真をまた俺に見せる。


京君が、初めて俺の家に来た写真だ。


「で、契約どうする?」


「わかった、2日後夜中の3時、うちの前に来てくれ」


俺は、そう言って金森に住所を渡した。


俺は、そう言って車を降りた。


この日、俺は京君には、会わなかった。


2日後ー


「飴ちゃん、会いたかったよ」


どしゃ降りの雨の中、金森は俺にキスをしてきた。


金森が、俺から唇を離した。


「俺をその気にさせたいなら、そんな子供がきみたいなキスじゃ駄目だ。それと、そんなんじゃ美麗を諦めさせられないよ。覚悟しとけよ」


俺はそう言って、金森を俺の傍に抱き寄せ、腰を支えてキスをした。舌を絡めて、濃厚なキスをする。


しばらく、キスをしてから俺は、金森から離れた。


「大丈夫か?」


俺は、金森の腰を支えた。


「飴ちゃん、すごいね。俺、こんなの初めてだわ。キスだけで、立てないわ。ヤバイね」


「そりゃ、どうも。風邪引かれたら困る」


俺は、金森を部屋に連れて行った。


「そこで待ってろ、風呂いれてくる」


俺は、風呂の準備をしてスイッチを押した。


「はいよ、タオル。わくまで待ってな」


「飴ちゃん、すごいって言われた事あるでしょ?」


「キスか?」


「うん」


「たいした事ないよ」


「いや、あるよ。俺、まだ立てない」


「そうか」


「その先も、もっと興味がわいたよ。飴ちゃん」


「今日は、やめとけ」


俺は、金森を風呂に案内した。







*この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません*

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