おじいちゃんとの朝
「はぅぅ……。おじいちゃんの膝枕サイコー……」
今日も今日とて縁側でぼんやり座っているおじいちゃんの膝を頬ですりすりしながら、私は惰眠を貪っていた。
「そうかそうか。喜んでもらえてなによりだ」
「で、今日はなにを企んでるわけ?」
「あはは。今日はなにも企んでおらんぞ?ただこうして座っているだけだ」
「そんなこと絶対ない。絶対なにか企んでる」
「なにもない。本当になにもないぞ?」
おじいちゃんの朗らかな笑みが、そうではないことを告げていたけれど、それ以上はきかず、私はまた頬をすりすりし始めた。
いつの間にかぐっすりと眠ってしまっていた。
おばあちゃんとの結婚記念日は今日だった。
いつも結婚記念日に、朝早くからおじいちゃんはおばあちゃんを連れて買い物に出かける。
「ちょっと遅れてしまうなぁ」
「かまわん。たまには孫の寝顔を見守るのも、祖父母の務めであろう」
おばあちゃんにも優しく頭を撫でてもらっていたと、お母さんからきかされたのは、私の好物の(おじいちゃんがいつも買ってくれる)壺漬けを食べている、もうお昼もだいぶ過ぎた頃だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます