終始、現実ではありえない超現実的な情景を描いた短編です。
「窓」を相手に、奇想天外なアクションが展開していく不可思議な世界観です。
本作の文章の楽しみ方は、おそらく、大きく二つに分かれるのではと感じます。
一つは、圧倒的なアクション描写から生み出される脳内映像の奔流を楽しむ。
一つは、通常「窓」に付くはずのない、アンマッチな形容の数々から生み出される奇妙な違和感を楽しむ。
読み手の特性によって(主に、文章から脳内映像を結びやすいかどうかで)、そこは大きく分かれてきそうに思います。もちろん両方を楽しまれる方も多いでしょう。
私は、(脳内映像が出にくいためもあってか)圧倒的に後者でした。
非現実的な形容をまとった「窓」の群舞。「シュール」と言ってしまえば一言なのですが、個人的にはそれに留まらない、文章表現ならではの面白みを感じました。
楽しませていただきました。
ありがとうございました。