三 各キャライメソン  丸藤崇春「刃」(THE BACK HORN)

 というわけで、ここからは『かもす仏議の四天王』各キャラクターのイメージソング+キャラのコンセプト+設定などを。


 余談ですが、自分の中のジンクスというか感覚として「主題歌がスッと決まった小説は上手くいく」というのがあります。

 そして逆に「各キャラごとのイメソンまで決め出したら上手くいかない」というジンクスもありました……。


 なので、この小説もキャラのイメソンが自分の中でイメージされ出したとき「うわああぁちょっと待てぇぇぇ!」となりかけましたが。

 結果から言えば、うまくいってます。

 どうやら「曲をキャラごとに無理やり当てはめようとすると、作品そのもののイメージがとっ散らかって上手くいかない」のであって、「自分の中で勝手に決まっていくのは全然あり」らしいです。


 あくまで自分の場合の場合ですが、設定全般にもこれはいえるようです。

 「キャラクターごとに履歴書みたいなのを作ってプロフィールを決めておこう」というやり方があるのは知っているのですが。自分の場合、先にプロフィールを作ってから書くとそれにとらわれ過ぎたり、なんか無理のあるプロフィールになっちゃったり……。

 「物語にとって大事なとこだけ決めておいて、趣味とか好きな食べ物みたいな細かいプロフィールは、本編を書き進めて自然に決まるのを待つ」ぐらいがやり易いかな、と。

 そういう場合はなんか、「こいつの設定も決まってきたなあ」というより「お前のこと、やっと分かってきたよ」という……新しい友人と仲が深まってきた、みたいな感慨があります。



 さて、キャラごとの話に。

 主人公(の一人)、崇春のイメージソングは……実はかなり遅くまで決まっていませんでした。なんなら主人公三人で曲がパッと決まったの一人しかいねぇ……! 


 特に、崇春の(キャラとしての)コンセプトは「仏法の体現者(超目立ちたがりなとこ以外)」なので……。

 「仏法における最重要事項は『執着しない』(執着しないということにすら執着しない)」→「崇春も(目立つこと以外に)ほとんど執着してない」

 なので……意外とキャラとしての特性が無い!? ……それは逆に目立ちたくもなろう(?)。


 なのでイメソンは「初音ミクの般若心経ポップでいっかァ~(執着しない仏法的な姿勢)」とか思ってましたが。

 キャラとしてのもう一方のコンセプト「熱いバカ」「おとこの中のおとこ(ただしバカ)」から、イメージ曲も熱い「刃」に決定しました。


 「刃」実はこの曲は、実写版『さきがけ!! 男塾』の主題歌なのです(勝手にこっちのイメソンにしていいのかは……まあ……その……)。

 熱いおとこたちの熱過ぎる闘いを描いた超名作漫画、男塾。その実写版主題歌たるこの曲もとにかく熱い! 


 (引用は控えておいて歌詞要約)

 ――たとえ死すとも譲れないもののため、おとこは闘いに向かう。桜吹雪の中振り返らず、涙を拭わずに走り出す。

 そして自らの刃を、心をもぶつけ合い闘う。信じた道の先で、命の限りに――。


 歌詞もね、本当に素晴らしいんですが。個人的に、さらに素晴らしいのが間奏! 

 和のメロディを想起させつつもロック! そしてわざとどこか抜けた、コミカルさを感じさせる旋律! それがギャグ要素もある男塾に、そしてコメディとしての拙作とその主人公たる崇春に……合うッ!! 


 そういえば崇春のビジュアル的なイメージの元は、男塾の富樫源次がかなりの部分を占めてたりします。

 元々は友だちと考えたキャラで、全然仏教キャラじゃなかった(学ラン・学帽・ゲタばきの、大昔の番長みたいな奴)のですが(性格はほぼ同じ)。

 崇春、そして百見とかすみちゃんをぜひ小説に使いたい! →でも、書いてみたが上手くいかねェ! ……という日々が続きました。


 いったいなぜ? すごくいいキャラのはずなのに……どうすれば崇春というおとこを表現できるのか? そしてバトルものでやるとして、彼らは何と戦えばいいのか? ……それらに悩み、苦しみ、分からずに放置し……長い年月が経ちました。


 そしてある日突然、悟った。

「仏教! 仏教で(この問題は)全部解決できるじゃん!」と。


 崇春というキャラのでかさ……それを表現するには「仏教という、よりでかい器」に入れてやればいいッ! 

 そして戦う敵は「怪仏」! 仏教が本来、よくないものとしてきた「執着」、それが寄り集った「ごう」の具現化! 

それを「様々な執着、欲望に対応したご利益りやくを持つとされる仏、その姿と力を模した怪物=怪仏」とすることで! 仏教哲学的なテーマを描けたあげく! なんと、仏(っぽいもの)まで描けちまうんだ! (仏教ファンなので私が嬉しい)


……要は自分が仏教(特に仏教哲学)好きになったからですね。

そしてこれによって本当に問題が解決したのか? 昨今の注目されなさ加減を見るに、解決したと思ってるのは私だけではないのか? 

……その辺は……キミ自身の目で確かめてくれよな! そして確かめた内容を私に伝えないでくれよな! 多分傷つくから!



 (その他、崇春のプロフィール)

好きな食べ物:ポテトサラダ。

白米、みそ汁、甘いもの、スシュン酒(と称するカルピス)、緑茶。嫌いな食べ物はない。

 私服のコンセプト:「基本いつも僧服」「それ以外はあるものを適当に着る」

 よく行く服屋:「そもそも行かない」「百見が『しまむら』で買ってきてくれる」

 下着:「ふんどしだったりトランクスだったりブリーフだったり」「こだわりはない」

 好きなお経:般若心経(短くて覚え易いので。意味はほぼ理解してない)



 私服は基本的にダサいです。服に対する執着と本人のセンスがないのが大半の理由ですが、一応「既成服にジャストサイズがほとんどない」というのもあります。


 本格的にトレーニングする人にはよくあるのですが、「全身の筋肉を鍛えると、最大の筋肉である太ももが特に発達する」→「ズボンの太ももがパッツンパッツンに」→「かといって太ももにサイズを合わせると、今度はウエストがぶかぶか過ぎる」という。

 崇春も陰でかなり鍛えているのでそうなってます。


 とりあえず、今は同居してる百見が何かと世話を焼いて服を買っています(費用は立て替えて後で請求)。

 しまむらだったり近所のスーパーの衣料品コーナーだったり。安いものを適当に(スシュンにこだわりがないのを知ってるので)買ってきます。なのでパンツもトランクスだったりブリーフだったりとバラバラ。


 一方崇春は、

干してあった洗濯物の中から適当に着たのが百見の服→サイズが合わずにムキムキのぴっちぴちに(崇春は気にしてない)→だるだるに伸びた服とキレる百見……ということを何回もやらかすのでした。



 次回は同じく『かもす仏議の四天王』より、主人公三人の一人、百見を! 




https://kakuyomu.jp/works/16816927860224664762

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