二  『かもす仏議の四天王』 主題歌「watch!!」(KANA‐BOON)  エンディングテーマ「般若心経ポップ」(おにゅうP feat.初音ミク)


 自作小説の解説なんてしてる人は、実は少ない。最近カクヨムで検索してみたら十人もいませんでした。

 名著『星の王子さま』によれば、地球には「7000人の地理学者がいて、90万のビジネスマンと750万の酔っ払い、3億1100万のうぬぼれ、つまりおよそ20億人の大人が住んでいる」そうですが。この数字は見直されるべきなのかもしれない……意外と皆、奥ゆかしい。


 少なくとも、自分の作品にテーマソングをつけたあげくご丁寧にも作品ごと解説しよう、などといったうぬぼれ屋は私一人のようである(多分)。

 マジか……皆、主題歌とかつけないの……!? 


 名作・漫画『ピンポン』の主人公は「この星の一等賞になりたいの、俺はっ!!」と言っていたのですが。私などは労せずして、この星のうぬぼれ屋さん一等賞である。加えて酔っ払い一等賞であることも疑いない。現にこれを書いている今も酔っ払っている。

 堂々の二冠達成……! そして、その二冠を獲ったからには「この星一等賞のバカ」という三冠目も自動的に達成と見てよいでしょう。

 三冠……達成ッ! 本当に、本当に(頭が)おめでとうございます。


 たわ言はこれぐらいで。

 さて、主題歌「watch!!」である。

 今どき珍しい、ロックらしいロックを得意とするグループ、カナブーン。この曲もまた骨太なメロディラインで、畳みかけるように斬りつけるように、追い詰め問い詰めるかのようにメロディが言葉が重ねられていく――追いかけろ、暴きだせ、深層へ、真相へ――。

 刑事ドラマなんかに合いそうな、ハードボイルドな一曲。


 拙作『かもす仏議の四天王』。この作品では、人の欲望、執着、すなわちごう。それが積もり積もって歪んだ意思を持ち、仏のような――本来執着から人を救うべき仏の――姿と力を持った『怪仏』が人に取り憑き、操り、害を為す。

 その怪仏と戦う主人公らの現代伝奇バトル×学園コメディとなっているわけですが。怪仏が取り憑いた、本体となる人物は誰なのか? それを探るミステリー要素、あるいは仏法者として人の心と向き合う要素……そうした辺りが、この曲を主題歌とするのに合うかな、と。


 カナブーンは個人的に好きなバンドですが、この曲は中でもお気に入りです。

 で、まあ主題歌ということで、この曲を聞くときには――アニメのオープニングみたいに――曲に合わせてアクションする、主人公たちの映像が浮かぶわけですが。

 陰影を強調した映像で、曲の変調に動きを合わせて振り向き、何かを追うように駆けていく主人公ら……は、いいとして。

 割と最初の方の歌詞に「ダッチワイフのようさ」って一節があるのですが。……ここでいったいどんな映像を思い浮かべれば適当なのか……? 



 まあそれは各自の宿題としまして(投げやり)、エンディングテーマにいきましょう。

 『般若心経ポップ』もうそのまんま、般若心経を初音ミクが読んでくれてるという。

 主人公・崇春のイメージソングにしようかな……とも思いましたが、あえてこっちに。


 ところで般若心経である。

 『西遊記』のモデルでもある玄奘げんじょう三蔵法師、彼が天竺より持ち帰った大般若経六百巻、その内容を約二百六十字に凝縮し、仏教の『くうの思想』を端的に示した、宗派を問わず読まれるお経オブお経。

 ……逆にそんだけ凝縮できるんなら、残り五百九十九巻余りは何なんだという気もしますが。


 ただまあ、本当にそれだけ、仏教の奥義を凝縮し切った文章でもあるのです。ゆえに、短くポピュラーであるにも関わらず超難解。


 ただ、このようにも言われています。

 この二百六十字余りを、本当に読める者はそれだけで悟る。

 それは功徳とか霊験とか、オカルトめいた理由ではない。

 仏教哲学、そしてそれが最も重視する「体験」。それが、ここには凝縮されている。


 あるいは空海があらわした、密教における曼荼羅まんだら、特に東寺に造立した立体曼荼羅。そうしたものと同じく、悟るためのシステム。

「悟りを追体験するためのシステム」、それが般若心経である。


 まあそんなわけなので、それをポップに、パッと聞けるボカロ曲にしてくれた方は偉いな……と思う次第です。



 さてと! 主題歌とエンディング曲を紹介し終えたので、次回からは各キャラのイメージソング&設定にいきます! 

 ついでに! その過程で設定した、各キャラの「私服における各人のコンセプト」「履いてる下着」まで徹底紹介! 


 まあ私服って言っても、本編に出てくるときはほぼ制服なんだけどな! 

 もちろんパンチラもサービスシーンも無いよ! 

 ……なんで下着まで設定したの? 


 そんなバカが書いた、実際の作品はこちら!

https://kakuyomu.jp/works/16816927860224664762


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