第19話

 おいしくご飯を食べた後。


「……で?どこまでついてくんの?」


 ダラダラと喋りながら自分の家にまで帰ってきた僕は口を開く。

 話を向けている相手は当然のような顔をして僕の家にまでついてきた琴美である。


「え?ずっとだけど?私ってば今日、泊っていく予定だから」


「……ん?」

 

 僕は琴美の口から出てきた衝撃の発言に固まる。


「言ったでしょ?私は碧衣と久しぶりに遊びたいの。個人的にはショッピングが良いかな」

 

 琴美はそう言いながらさも当たり前のように僕の家の鍵を取り出して鍵穴へとさす。

 ちょっと待て。その鍵はどこから出てきた。


「……それの何が僕の家に泊まる発言につながるんだ?」

 

 僕はなんとか琴美が僕の家の鍵を持っている問題を飲み込み、会話の流れに沿った疑問を琴美へとぶつける。


「私がいなかったどうせ夜通しゲームしてそのままダウンしちゃうでしょ?そうならないように私が居てあげるんだよ!明日は絶対に碧衣とモーニングを食べて、ランチライムを楽しみ、ディナーで大人の気分を楽しむんだよ!」


「どれだけ一緒にいるつもりなの!?」

 

 朝食から夕食まで。

 一日ずっと一緒にいるということではないか!琴美には悪いけど、流石にそんな長くお外に居たくない。

 家でゴロゴロしていたいし、ゲームをしたい。


「断固拒否する!」

 

 そんな僕は琴美に対して堂々とそう宣言する。

 

「あなたに拒否権はないわよ?」

 

 平均的よりも少しだけ!!!小さな僕の体は琴美に軽々しく担がれる。

 僕は抵抗しようと必死にあがくが、琴美の圧倒的な力の前にそれらの抵抗は一切意味をなさない。

 ……。

 …………。

 やはり暴力……!!暴力はすべてを解決する……!!


「ドナドナー」

 

 僕は琴美に抱えられ、そのままベッドまで強制ゴー。


「僕ってば夜に起きたんだよ!?ぐっすりとひと眠りした後、さらに眠れと言われても無理だよ!」

 

 普通に考えて眠れるわけがない。

 僕の目はバッチリと覚めている。


「大丈夫!ちゃんと眠れるから!」


「眠れるわけが……むにゃむにゃ……ないよ……むにゃむにゃ」


 なんかぐっすり寝れた。

 気持ちよかった。

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