第14話

「おや?」 

 

 間宮さんのお家から自分のお家へと帰る道の途中。

 桜から送られてきていた大量のRINE……その最後に送られてきたRINEに書かれていたのが、実家の方に呼ばれたため、一旦帰るから一週間ほど家を開けるということ。


「……実家の方から?一体この時期に何の用だ?」

 

 僕と桜の実家は何をしているのか僕は知らないけど、結構大きな家で正月には多くの人が本家の方に集まってくる。 

 詳しいことはほとんどわからないけど、一応僕たちは直系の人間らしく、僕と桜の立場は結構高い、らしい。

 

「んー。なんだろうか?というか、僕は良いの?」

 

 実家の方から連絡が来ていないか確認するも何も来てはいない。

 

「まぁ、良いか。わからんこと考えていてもどうしようもないしな」

 

 僕はスマホの電源を切ってポケットへと仕舞い、家へと向かった。

 

 ■■■■■


「ただいまぁ」

 

 僕は玄関の扉を開け、中へと入る。

 当然いつも僕が帰ってくるときは玄関の扉の前でガン待ちしている桜の姿はない。


「ふんふんふーん」

 

 僕は制服を脱いで、ワイシャツを洗濯機へと突っ込み、ブレザーやズボンはハンガーにかけて自室のクローゼットへとかける。


「あしたーはきゅーじつぅー」

 

 始業式があったのが木曜日。

 その次の日たる今日は当然金曜日……金曜日の次にあるのは楽しい楽しい土日である。

 明日は昼に思う存分寝ることが出来るので、今日の夜は思う存分ゲームに勤しむことが出来る。


「ふふふ……」

 

 僕は真っ暗な部屋に置かれているゲーミングPCの電源を入れる。

 きゅーんというファンの回る音が部屋中に鳴り響き、ゲーミングPC特有の目が痛くなるような虹色の光が部屋の中を照らす。


「よっとぉ……」

 

 僕はゲーミングチェアへと腰掛け、ヘッドフォンを耳にかける。


「リテン氏はオンしているかなぁ……やっぱりしているよね」

 

 今、一番お気に入りのゲームを起動した僕はリテン氏がオンラインとなっていることを確認した後、discortを開いてリテン氏へと通話をかけた。

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