第7話
僕の言葉に承諾した間宮さんを前に頷き、僕は図書室に置かれてる椅子へと座る。
「今日、何か予定ある?」
「えっ……ないけど」
「オッケー。じゃあ、もう今日からやろ。幸いにもここは図書室。勉強するためのものならいくらでもあるからね」
「わ、わかったわ」
僕の言葉に間宮さんは頷き、僕の隣へと腰を下ろす。
「さて、と……まずは現状の確認からだよね。ちょっと待ってて」
今、僕がいる場所から少し離れたところに置いて会った僕のカバンから複数枚の紙と筆箱を取り出して、持ってくる。
「小テスト作るから、小一時間ほど待ってて」
「わ、わかったわ……それじゃあ、私はいただきます」
僕はいそいそとカバンからパンを取り出し、食べ始めた間宮さんを横目に僕は紙にペンを走らせた。
……あぁ、そうか。普通はもう昼食の時間だよね。
■■■■■
「んっ。これで良いかな」
小学一年生から高校一年生までの全範囲。
その中で高校二年生の数学で絶対に必要な分の基礎だけをピックアップした本当に最低限の小テスト集を作り上げる。
「ふー。よし、終わったよ」
「あ、あなた……本当にすごいのね。この短時間で、この質で、この量の小テストを作るなんて。というか、字きれい……」
「ふふん。伊達に学年一位していないのだよ。僕は基本的になんでも出来る有能くんだよ」
「それを自分で言っていくのね……」
「謙遜など愚か者のすることなんだよ……ふわぁ」
僕は間宮さんの前で大きなあくびを浮かべる。
「多分だけど……一時間近くで終わらせられると思うから、まずはこれをやってほしいな。出来れば今日中に中学の範囲の復習を終わらせて、明日にその小テスト。甘いところを詰めてから、高校数学に入っていきたい。数学以外の教科もやらなきゃいけないし……」
「そうね……お願いするわ。本当に私の成績が上がったら報酬に色を付けるようお父様に言っておくわ」
「おっ。言ったからね?絶対だよ?」
「えぇ。私は約束を違えることは絶対にしないと誓うわ」
「ふふふ。今の言葉、絶対に忘れないから」
いやぁー、家庭教師代。
どのゲームに突っ込もうかなぁ?どれに使うのが一番効率が良いのか……それを考えるのも実に良いものだね。
実に心踊るものがある。
「よし、ということで間宮さんが小テストやっている間僕は寝ているから、小テスト全部終わったら、僕を起こして」
「えっ……?」
寝不足だった僕は問題を解いている間宮さんの横で突っ伏し、気持ちよく睡眠に入った。
ここでしっかりと寝て、夜のゲームに備えなくては。
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