第7話幕末の恋愛事情・若き日の西郷隆盛は恋に悩んだのか。vol2

西郷どんと中村半次郎・桐野利秋の深い縁

W氏のお話の続きです。

西郷どんが20歳の頃島流しにあった理由は吉野の松山という場所、島津家の御狩場に当る場所で火事を起こしたからというのです。

そういえば中村半次郎の父も同時期島流しになっていると書かれた逸話があります。物語には島流しの理由は公金横領などと書かれているようです。1847年、調所広郷は給地高改正を令するとあります。このため西郷家も豪商からお金を借り入れたようです。私は中村家は借り入れることができず、公金横領したのかしらと想像していたのです。そこにW氏の話を聞いたのです。

中村家にも豪農の知り合い、姻戚の別府家などがいるようです。そうすると、お金の工面ができなかったから、公金横領とはならない気がします。

中村半次郎の物語では幼い半次郎がイノシシ退治に父と兄が使った鉄砲をこっそりいたずらして大やけどを負った話もあります。農作物を荒らすイノシシを退治するため半次郎の父は藩庁に許可をとったと書いた小説もありました。

W氏は西郷隆盛の祖父の代に中村家と姻戚関係があったと言われます。

吉野の松山(御狩場)の火事現場に半次郎もいたのではないかと妄想してしまいます。

つまり、半次郎親子らは西郷どんの狩りに同行していたのではないかと思うのです。

島津家の御狩場・吉野の松山の火事、中村半次郎の幼い日の逸話、半次郎の父の島流しの時期、もしかしたら、半次郎等を伴った狩りが20歳の西郷どんを島流しにさせてしまったのかもしれません。パズルを組み立てるように想像してみるとそんな結論になるのでした。

もちろん、私の彼らに対する思い入れがそんな結論を導いているのかもしれません。

そして、大国中国を傾けたアヘンが日本に入ってくなかったのはもしかすると若き日の西郷どんの探索のおかげかもしれないと妄想するのでした。

その時の活躍が斉彬公の目にとまったというW氏の解説も納得出来るように思います。嘆願書が優れた内容だったからというよりも現実的な気がします。世界情勢に詳しく、興味のあった斉彬公は台湾でのアヘン関連の報告書であれば、興味深く目を通されたに違いありません。

ちょっと歯切れの悪い分かりにくいお話になってしまいました。

男は狩りが好きかは分かりません。ただ、イギリスの「高慢と偏見」にも英国貴族が狩りをするシーンがあります。中国ドラマ「如意伝」でも季節ごとに狩りをするシーンがありました。人間に進化している太古から狩りをしてきました。時代や場所を選ばず、男たちは狩りをしています。

貴族や皇帝達は犬を使って獲物を追い込みます。仕事に追われる下級藩士の西郷どん達に猟犬を飼育する余裕はなかったと思われます。「煙を使っておびき出すのはどうだろう。ちょっと火を燃やすくらい大丈夫だろう」と思ったところ、火事になったというのはどうでしょうか。後年、西郷どんは多くの犬を飼い、愛犬にウナギを与えたと話があります。

成功して金銭に余裕のある男性達は車や時計を集めます。若き日の失敗、あの時2~3匹でも猟犬を飼う余裕があればと西郷どんは思ったのではないでしょうか。

女性を大勢侍らせなかった西郷どんは若い頃、女性の目を引く美丈夫だったに違いありません。母をはじめ身内の女性らの愛情にも恵まれて貧しいながらも豊かな幼少期を過ごしたでしょう。

そんな西郷どんはもてようとしなくても女性にもてる女性の気持ちを察する余裕のある男子だったのではないでしょうか。

果たして、明治政府で栄華を極めた権力者達はどんな青春を送ったのでしょうか。

W氏は西郷隆盛の銅像が見える場所で今日も健やかに過ごしておられることでしょう。

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志士達の日常 中山 みどり @mimahi686

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