第13話 小さなエピローグ

「神木さーーーん」

清世ちゃんが俺のところに走ってきて、抱き着いてきた。


「良かったです・・・本当にお札が破られたときは絶望しました。」


「ああ・・・俺もだよ。お賽銭のこと教えてくれてありがと」

俺も清世ちゃんの体をギュッとにぎりながら言った。


「清世ちゃん!久しぶり・・・なんか清世ちゃんの身長があと15cm大きかったら晃くんと清世ちゃんが付き合っているように見えるよ」

当銘ちゃんが俺たちのいるところに来て言った。


「うるさいですねっ!・・・だけど助けてくれてありがとうございます」


「お礼はいいよ。僕は30万円もらえたからね。だけど清世ちゃん、あのお金って神社の維持費だよね?」


「うっ!そうですよ・・・しばらく、お金は節約しなきゃいけません。」


「そっか~・・・まあ頑張ってね」


「頑張りますけど・・・当銘さんがお金を返してくれたら万事解決なのに・・・」


「ん?返すわけないじゃん。もうこのお金は晃くんが賽銭箱に入れた」


「・・・なんだよ、その『納得はしているけど、感情が拒否反応を示している目』は。・・・なんかこれ以上いるとお金を返せって言われそう・・・僕は元いたところにもどるね、じゃあまたね~」

そう言った瞬間、当銘ちゃんは姿を消した。


「なんか、変な人というか・・・良くわからない人だったな」

俺は当銘ちゃんの正直な感想を漏らした。


「お金の件は非常にむかつくけど、根はやさしい人だと思いますよ」


「うん、実際、俺達を助けてくれたしな・・・30万円失ったけど」


なんか俺と清世ちゃんはなんとなく黙ってしまったので俺はちょうど思ったことを言った。

「そういえば、神様だけはいれなくなる清世神社の結界はとけたのか?」


「もうプリティーガールズを封印したので結界はとけましたよ。・・・それで思い出しました。早くプリティーガールズの封印したお札を清世神社にもどさなくてはなりません」


「そうか・・・俺も清世神社までついていこうか?・・・もともと俺が清世ちゃんを家まで送ると言い出したことからこのことが、始まった気がするんだ。だからむしろ神社まで送りたいんだけど」


「一緒に来てもらいたいですけど、大丈夫です。羽地さんの所にいといてください。だれか知っている人がいなくては起きた時に、羽地さんが混乱します」


「そうだな・・・だけど・・・」

俺が何か言いたげにしていただろうか、清世ちゃんは俺に特大の笑顔を向けて行った。


「それに、昨日は一人で帰れなかった私が、神木さんと出会うことで一人で神社まで帰れる勇気がついた・・・という素晴らしい物語にもできるんですよ」


俺は一瞬、清世ちゃんが何を言っているのか分からなかったが、何となく言いたいことが分かると、俺は笑いそうになった。


「昨日はホラー映画のせいで帰れなかっただけだけどな」

俺は笑いをこらえながら言った。

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